前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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すてきな冊子「白寿を迎える父」(村井慶三)

2009年06月10日 | Weblog
  すてきな冊子をいただいた。「白寿を迎える父」(村井慶三著)。

  書名の「白寿を迎える父」以外のエッセイなどは、これまで「季刊『ふくいの年金者』」「ゆきのした」などに掲載されたもので、読みながら「ああ」と、また読む感動を新たにした。「大好きな作家 吉村昭さん」「橋本左内と立志式」など。
  以前、福祉団体のチャリティーで「吉村昭さんの色紙に札を入れてきた」と嬉しそうに話していた姿と重なる。私も「天狗騒乱」を読んで感動し、色紙より安価なサイン本に札を入れたことがある。届いた本のサインも素晴らしいものだった。
 


   冊子で残念なのは、いわゆる奥付がないことだ。村井さんは、知人に配る範囲なので必要ない、と判断され、名前とEメールだけを裏表紙に記されたのかもしれない。
   たまに古本屋をのぞくと、会社や個人の記録本などが結構ある。「贈呈」の栞がきれいに挿まれ、読んだ形跡がないものも少なくない。なにかの縁で「贈呈」し、された方も気乗りがしなかったり、あるいは亡くなったりして、処分された末だろう。とくに政治家のものが目に付く。
   この村井さんの冊子は、たんに個人の記述にとどまらない。福井中学校(藤島高校)の校長を24年間つとめた大島英助の息子であり、東京帝大に進学しマルクス主義に共感、その後、治安維持法による弾圧で親子3人の命を奪われた大島英夫についての探究や、県内の運動について論述した「暗黒政治の告発  治安維持法と福井県」、「大野の加藤和光」などが掲載されている。
   つまり、30年後、50年後になってもなお、反戦平和に命をかけた福井県民の貴重な記録文献でありつづけるだろう。


 

「父の楽しみはなんだろう、と思うときがある。昔から映画や旅行などに行った話は聞いたことがない。本も読まない。食べるものも贅沢はしない。唯一の楽しみは、テレビで野球や相撲を見ることのようだ。父の部屋にもケーブルテレビを引いて好きなスポーツ番組を見えるようにしたが、少しは満足しただろうか」。・・・・

探究する強靭な共産党員は、多喜二のように、心やさしい。