昨日はKさんご夫妻とご夫妻のお知り合い宅への訪問活動でした。安倍政治への怒りは人一倍ですが、とても優しいご夫婦です。ご自分で200坪の畑をつくり、おすそ分けを私もいただきました。ありがとうございます。
福井県内でも国賠同盟の皆さんがかつての治安維持法犠牲者に国家賠償を、と運動をつづけています。
敦賀市の山本貴美子市議は役員の方ですがFBで敦賀出身の犠牲者について書かれています。
「我講義 軍靴の音にたたかれたり
往く人の パパは埋もれぬ 日の丸に
この句は井上白文地の作です。
白文地は、本名、井上隆證といい、1904年、敦賀市大島町で生まれたそうです。
岸本久七と命名され、2歳の時に福井市の報恩寺、井上さんの養子になり、井上隆證と改名されました。
その後、兵庫に転居、京都帝大を卒業し、関西大学講師となり、「京大俳句」の創刊の中心メンバーとして新興俳句運動に力を注ぎます。
ところが、リアリズムに基づく生活句、反戦句、工場句、農村句、プロレタリア句などが、特高警察は共産主義運動の一翼を担うものだとして言論弾圧にのりだし…
1940〜1943年治安維持法による俳人の検挙がおこなわれました。
この最初の弾圧が「京大俳句事件」と言われ、3次にまでわたったそうです。
井上さんは、この第1次弾圧で検挙され、内定していた関西大学教授のポストが反故に。
その後、敗戦直前の1945年3月に召集され、朝鮮で終戦を迎え、ソ連軍の捕虜となり、1946年4月を最後に安否の確認がとれず、1980年に死亡宣告申請が出されました。
治安維持法で検挙された人は10万人とも言われていますが、政府は戦後、書類をすべて破棄したため、犠牲者の記録が残っていません。
そこで、治安維持法犠牲者国賠同盟は、再び人権のない戦前の時代に逆戻りさせないため、犠牲者への謝罪、賠償を求めるとともに、犠牲者の掘り起こしも行っています。」
2017年2月の県議会で私はつぎのように質問しました。
「今回の予算案には、幕末明治福井150年博開催準備事業費などが計上されています。明治は、富国強兵、対外戦争へと向かった時代でもありました。その後、福井出身の総理、岡田啓介は、2.26事件の当事者ともなりましたが、治安維持法の適用を学者や宗教者へと拡大し、思想、信条への弾圧を行った人物でもあります。彼は、回顧録で、「無理な戦争でも勝てればいい」と語っています。多くの国民、県民が多大な犠牲を負った戦争と、それを支えた国民弾圧への反省は語られません。
そこで、改めて知事の歴史の事実についての認識をお尋ねいたします。
県庁と県議会初め、多くの県民は、戦争犠牲者、戦没者を慰霊、追悼し、過ちを繰り返さないと誓い続けております。戦争推進と一体での当時の治安維持法で、その反戦思想や信条、労働組合活動、文化活動などを理由に逮捕された国民は数十万人、送検された者は7万5,681名、獄死者は約1,700人、実刑は5,162人にも上る大規模なものでした。治安維持法犠牲者に国家賠償を求めている国賠同盟福井県本部などの調査活動によれば、福井の大島英夫、木下利男、上中信夫、武生の黒川泰一、大野の乾補、土本勇、加藤和光などを初め、福井県民の犠牲者も少なくありません。優に100名を超え、数百名とも言われております。宇野重吉、高見順、高田博厚ら、戦後活躍された面々も治安維持法弾圧の犠牲者でありました。治安維持法は、戦争遂行の国策と一体であったわけです。
この治安維持法の犠牲者に対して、知事は哀悼の意を表明し、二度と過ちは繰り返しませんと誓うべきではありませんか。誠意ある答弁を求めます。」
当時の西川知事の答弁はそっけないものでした。
「治安維持法の犠牲者に対し、知事は哀悼の意を表明し、二度と過ちは繰り返さないと誓うべきではないかとの御質問です。
治安維持法に関する御意見については、県知事として答える立場にはないところでございます。 」
日本でも共謀罪が制定されました。
香港では国家安全維持法が人権弾圧を加速しています。日本共産党は国内問題ではなく、人権問題は国際問題だとして中国の態度を厳しく批判し、安倍政権にも毅然とした態度をとるように求めています。
■赤旗 主張 香港市民の逮捕 国際社会が暴挙を許さぬ声を
香港警察が10日、中国当局に批判的な「リンゴ日報」紙創刊者の黎智英氏、民主活動家の周庭氏ら10人を「国家安全維持法」違反容疑で一斉に逮捕しました。弾圧に強く抗議します。両氏はその後保釈されましたが、起訴される恐れがあります。6月30日に施行された同法によって香港警察は市民を次々に逮捕しています。香港市民をはじめ世界で批判の声が広がっています。中国と香港当局は弾圧をただちに中止し、逮捕した人たちを釈放すべきです。
政権批判を広く犯罪に
香港警察は7月1日、抗議デモで「香港独立」の旗を所持していたとする参加者を逮捕し、21日には「香港を取り戻せ」のスローガンを掲げた区議会議員を逮捕しました。その後も政治団体代表の逮捕や活動家の指名手配など弾圧を強めています。30日には、立法会議員選挙に立候補を届け出ていた民主派候補12人の立候補資格を選挙管理委員会が剥奪しました。いずれも「国家安全維持法」違反を根拠としており、選挙に立候補する権利すら奪っています。
黎氏の逮捕は報道の自由の蹂躙(じゅうりん)です。これまで「デモの扇動」などで何度も逮捕された周氏は、今回は理由も示されずに逮捕されたと不当性を訴えています。
政権批判を広く重罪で禁止する同法の本質がはっきりしました。「国家安全維持法」は「国家の分裂」「政権の転覆」「政府機関の機能遂行の妨害」などを犯罪とし、「画策」したと当局が判断しただけで罪とされます。どんな行為が犯罪にあたるかは当局次第です。最高刑は無期懲役です。
同法を制定したのは香港ではなく中国の立法機関です。施行後、香港に「国家安全維持委員会」が設置され、中国政府が顧問を派遣しています。中国政府の出先機関である「国家安全維持公署」も設けられ、中国当局が直接弾圧を行っています。香港の「一国二制度」が有名無実になりかねないと、制定前から警告されていました。その危惧が現実となっています。
香港政府は9月6日に予定されていた立法会議員選挙を、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に1年間延期しました。しかし民主派の立候補禁止に続く延期決定は「感染防止に名を借りて市民の投票の権利を乱暴に奪おうとしている」(民主派議員の共同声明)と批判されています。
人権侵害は単に国内問題ではなく国際問題です。中国政府は世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言を署名、支持しています。本土でも香港でも人権と自由を尊重する国際的責務を負っています。香港の地位を定めた香港基本法は、国際人権規約の自由権規約が香港に適用されると明記しています。中国はこれらの国際取り決めを平然とほごにしています。
社会主義とは無縁な専制
中国が行っている人権侵害は「社会主義」とは無縁な専制支配そのものです。社会主義・共産主義は自由と人権、民主主義を豊かに発展させるものです。主権者としての国民の権利や民主主義を刑罰で奪う中国共産党は共産党の名に値しません。
中国当局がどんなに野蛮な手段で香港の民主化運動を圧殺しようとしても世界は許しません。国際社会が抗議の声をさらに高める必要があります。