ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

BSドキュメンタリー2011

2012-01-13 00:34:36 | Public
昨年、2011年は大きなライフスタイルの変化があった。
内勤になり、暇になり、震災もあり、友人のいない金沢で
本を読んだり、世の中のためにならない自分のことを考えたり
していた。
BSを受信できるアパートに入ったので、BS1の「世界のドキュメンタリー」
をたくさん見た。面白くて、映像の力の大きさに圧倒された。

BSのホームページから、この1年に見た番組を並べてみる。
ベスト3を勝手に紹介します。

1.ギリシャ 財政破綻への処方箋
~監査に立ち上がる市民たち~ (ギリシャ)

 まず、「ギリシャの一般市民の主張を世界にPRしなければ!」という
趣旨で、市民から募金を集め、制作したというところに感動。
内容は、「なぜ、財政が破たんしたのか、それは国家の不適切な契約に寄るところが
大きく、それらは”不当債務”だ」と展開する。面白いのは、それを宣言して
実行したエクアドルのストーリーだ。IMFやWFの出向職員を退去させ、
委員会が精査した結果、①国民の知らないところで契約され、
②支出は国民のために使われず、③そのことを債権者が知っていた、
という条件に当てはまるとした場合に、債務不履行を宣言する。
債権の価値は暴落、したところを静かにエクアドルが買い取り、結果は
8割減ほどになったそうだ。
 ギリシャ人が怠け者で、早く退職して年金を多くもらいすぎたために
財政危機になったのではなく、フランスが売りつけた武器や、ゴールドマンサックス
との取引、もろもろが導いたのだ、と。確かに、国際社会は、見えやすい制度上の
違いや、結果としての支出規模、財政割合などを「原因」に直結させやすい。
歴史観点や、個別的な要因をまぜこぜにしてはいけない、と新しい視点をもらった。

 2.終わらない悪夢(核廃棄物の行方)
 フランスからドイツを抜けて、ロシアの地図のない地名に鉄道で
送られる核廃棄物。笑えないサスペンスだ。これは前に少しブログで
触れたので、これくらいで。

 3.エルサレム ふたりの少女
~自爆テロ 母たちの対話~
 (HPより)
2002年3月、エルサレムの市場で起きた自爆テロで17歳のイスラエル人女性が
犠牲となった。自爆テロ犯は18歳のパレスチナ人女性だった。
事件に関心を持ったイスラエルの女性デイレクターが、双方の母親を取材し、
それぞれの家族が暮らしてきた状況を描き出す。被害者の母が自爆テロ犯の母との対話を
希望したことがきっかけで、06年、二人がテレビ中継で語りあう手法で対話が実現。
娘に死んで欲しくなかった二人の母の思いは通じ合うのか・・・。
エルサレムに住み、何不自由なく青春を謳歌していた17歳のレイチェル。自爆テロで
殺されたレイチェルの死を受け入れられない母アビゲイルは、加害者の母を捜し出し、
その無念を訴えたいと考えていた。アビゲイルの強い希望で、4年半後にようやく
自爆テロ犯の母とのテレビ対話が実現するが、この間に少しずつアビゲイルの感情が
変化していく。アビゲイルは、友人やラビに相談し、自分は何を自爆テロ犯の母に
問いかけようとしているのかを冷静に見つめようとする。
一方、自爆テロを実行したアヤットは18歳。ヨルダン川西岸地区の
デイヘイシャ難民キャンプで死や恐怖と隣合わせで暮らしていた。
成績優秀な高校生で婚約者もいた。犯行の2時間前に犯行声明をビデオに収録していた。
結婚前の娘がなぜ?と母ウムは今も自らを責めている。しかし、アヤットの友人たちは、
原因はイスラエル側にある、とさらなる憎悪を燃やす。
そして2006年、ついにモニター画面を通じて二人の母同士の対話が実現する。
アビゲイルはウムに「自爆テロを繰り返しても暴力が暴力を生むだけ。
パレスチナの若者に自爆テロをやめるよう訴えて」と主張する。しかしウムは、
「イスラエル占領下でパレスチナの人々がいかに抑圧されてきたかを知らなければ
娘の行為は理解できない。イスラエルはパレスチナの土地を奪った」と反論し、
対話は平行線を辿ったまま終わる。
豊かな生活を送るイスラエル。キャンプでの不自由な生活を強いられるパレスナの人びと。
こうした現実が双方の間の溝を今も大きく、そして深くしている。

 こういうドキュメンタリーの手法もあるのか、とまず驚いた。
そして、イスラエルの彼女、パレスチナの彼女が本当に見た感じが似ていたこと。
パレスチナの、今の子供たちも持っている厳しい対イスラエル感情、
一発触発の空気に、見入った。ドキュメンタリーは、感情を学ぶ題材だ。

 不格好な備忘録になりましたが、久しぶりのブログということで。
次回はもう少し頭を使って書こう。
最近、フェイスブックを覗くようになったのがよくない。
外が寒く、帰ってから、温まるのに一心でパソコンを開かなくなったのがよくない。
午前中、転職の手続きや調べもので時間が費やされてしまっているのがよくない。
「意地」はどこだ。・・・

(そのほか、見たものリスト)

最愛の敵 カダフィ (フランス)

エルサレム ふたりの少女
~自爆テロ 母たちの対話~ (フランス)

命をつなぐ(四川大地震から3年)

地下深く 永遠(とわ)に
~100,000年後の安全~ (デンマーク)

終わらない悪夢(核廃棄物の行方) (仏)

失われた町で(四川大地震から3年)(中国)

永遠のチェルノブイリ (ベルギー/フランス)

真の民主主義を求めて
~南ア 野党リーダーの日々~ (独)

“民衆の敵”に迫る ~カンボジア人記者の記録~ (英/カンボジア)

僕はカタツムリ (韓)

岐路に立つタールサンド開発

保険はわたしを助けてくれない (日本)
~豊かな国(アメリカ)の医療危機~

タリバンに売られた娘 (スウェーデン)

アメリカ 脱石油依存への道
~石油王たちに問う~  (アメリカ)

旧ソ連 原子力潜水艦の末路 (独)

われらの新聞
~ロシア ある地方紙の葛藤~ (オランダ)

ギリシャ 財政破綻への処方箋
~監査に立ち上がる市民たち~ (ギリシャ)

ギリシャの悲劇
~経済危機と遺跡泥棒~ (オランダ)

~カナダ 広がる環境汚染~ (カナダ)