ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

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2006-09-25 02:49:18 | Public
今日の昼、オランダ・アムステルダムから帰ってきた。2泊5日、往復夜行バスの旅。でもドイツ・ハンブルクからコペンハーゲンまでは、残っていたユーレイルパスを使ったので快適な電車の旅です。

アムステルダムは、いろんな点でコペンハーゲンに似ている街だ。キーワードを並べてみると、こんな感じ。

・ヨーロッパの国の首都
・平ら
・運河、港湾都市
・自転車多用
・高さのそろった、壁伝いに連なった建物
・ゲルマン語(たぶん。オランダ語もデンマーク語もドイツ語に似てる。)
・プロテスタント

うーん、そうだろうな、と想像してもらえると思う。どれも両都市で大小はあるが、(アムステルダムの運河の本数はコペンよりだいぶ多いし、自転車もアムステルダムの方が多い。プロテスタント率はコペンの方がだいぶ高いらしい。)だいぶ似ている。どちらもかわいらしい街だ。

ここではその違いについて書きたい。(司馬遼太郎の『街道をゆく』風の書き出し。)

それは道の広さである。コペンは広い。アムステルダムは狭い。どちらも自転車専用の道が脇にあるが、アムステルダムはそれに加えてトラムも走っているから中央にトラム車線もある。それなのに、総合した道の広さはアムステルダムの方が圧倒的に狭い。

これが治安の悪さにつながっている気がする。ドイツの一人旅では9時過ぎでも危険を全く感じなかったが、アムステルダムは6時過ぎから危険な匂いがした。その恐怖感は道の狭さから来ているように感じた。加えてマリファナの匂い・・・初めて、女の子の一人旅の面倒さを実感した。

ちなみにコペンではそのような感じを受けたことがない。真夜中の中心街でもだ(一人で行ったことはないが)。道が広いことが、コペンハーゲンの街をより合理的な雰囲気に見せているようにも思える。


夜の外出の困難さを感じたとき、同時に次の旅先、東欧を思った。こちらも一人旅の予定、しかも日も短くなる10月半ば。・・・どうなんだろう。少し宿をグレードアップさせてもいいかもしれない。



旅は、一人で行くのと複数人で行くのとで全く違ったものになる。(これは去年行った2つの旅行で実感済み。東北・北海道旅行と、ロンドン・パリ旅行。)わたくしは、複数人で行くとずいぶんと頑張ってしまう性格だから(友人に気を使う、というとはちょっと違う)特に違ってくるのかもしれない。


Anyways、快適な天気と、ベトナム出身の大学生の男の子がエスコートしてくれたおかげで満足な旅だった。ついでに書くと、ベトナムの英語教育はずいぶん日本に似ていて、書き英語には強いが話英語は全くダメ、というものらしい。向こうで大学を中退し、こちらで入りなおした大学3年生という彼は、少し訛りはあるものの元気良く明るく英語を使う。彼のおかげで英語勉強欲が出てきた。地道に語彙数を増やすことが今の課題だと思う。

関心のレベルアップ

2006-09-12 08:57:04 | Private・雑感
デンマークに来て、友人の卒業論文を読むとは思わなかった。


わたくしの居る大学は、コペンハーゲン・ビジネススクール(CBS)といって、大きく分けて語学系とビジネス系のコースがある。わたくしの取っている授業は、2つが英語(語学系)、2つが経済学(国際経済学と、開発経済学:ビジネス系)である。そのうち1つは週に3時間×2コマで少しハードだが、それでも週に5つしか授業がない。大きな声では言えないが、うまいことに木曜と金曜には授業がない。

すなわち、今のところけっこう暇だ。特に先週まで。

こんな環境の中で自分で少し驚いているのは、いろんな関心が増えてきて、頼まれもしないのに論文を読んだりしていることだ。最初は、デンマークの移民政策がどんな感じなのか知りたくなって、読んだり書いたりしていた。その次には「ワシントン・コンセンサス」という単語が気になって(この単語について一行程度の知識しかなく、恥ずかしくなって)調べたりしていた。基礎知識が着いたところで、「構造調整といえば」と彼の卒論を初めて読んでみたのだった。

読もうと思ったのはこれが初めてではない。2度くらい試みたが、前書きがなんだかかっこよくて、悔しくて(?)ファイルを閉じた。変なところで負けず嫌いが出る性格なのだ(笑)。開発経済政策に人並み(以下?)の興味しかなかったのが大きいのかもしれない。

読んでみて、面白かった。自分の卒論と比べて落ち込んだりはしなくなったあたり、大人になったというか年をとったというか。脚注に登場するさまざまな開発政策に対する経済学者たちの見解も、今のわたくしには刺激的だった。そして読み終わった直後、ふと、「やっと私も関心が彼レベルまで来たか」と思った(笑)。

その人の持つ関心、関心のレベルで、その人がどんな人か、少なくとも自分にとって刺激的な人かどうかが分かれてくると思う。ただ違う国に住んでいるとか、違う言葉を使っているとか、違う宗教を信じているとか、それだけでは自分にとって刺激的な人というわけではないみたいだ。その上でその人が今、何に関心があるのか、というところなのだ。何が言いたいのかと言うと、ときどき、「周りはみないろいろな国から来ているけど、ビジネスを専攻しているという点では同じなんだな」と感じて、(そこまで変人はいない気がして物足りなくて?)、その点では日本の、小さなゼミの中の、同期や先輩たちが刺激的だったのはなぜだろう、なんて思ったりするのだ。あと、総合大学と専門大学で、集まる学生の雰囲気は相当変わるんだろな、(慶應は総合大学でよかったな)とも感じる。ビジネス系の学生は、studyではなくてpracticeのために大学に来ているのかな、と漠然と思ったり。

とにかく思わぬ関心が出来て、それをふらっと調べたり読んだりする時間があるのは素晴らしく贅沢なことだと思う。

「修士の学生が、知って損することなんて何もないからな」

と先生がお酒の席でおっしゃっていたことを思い出し、今はふらふら漂ってみたい気分でいる。今週から授業がだいぶ忙しくなりそうではあるが・・・。

(余談)
偶然にも、昨年の今日か明日かこのあたりは、彼を含めて友人たちと旅行をしていた時期だ。11泊12日くらいの車の旅、11日は最終日くらいだと思う。実はドイツ旅行の最終日、ドレスデンで夕陽が沈むのを見ながら、「彼とは、一緒に朝日も夕陽もたくさんたくさん見たのに、なぜ恋に落ちなかったのだろう」とまじめに疑問に思ったりした。必要条件はそろっていたのに(笑)。
今、デンマークにも、私なりに必要条件がそろっている男の子が居て、ちょっと毎日が楽しみなのだが、年下なのが少し気になる。「友達を作る、なんて甘いぞ。恋人を作る気じゃないと英語なんて身につかない」と別の友人の声が聞こえる。明日、girlfriendが居るのか聞いてみよう。

留学生のグループ

2006-09-09 05:15:02 | Public
書きたいことが幾つかあったのだけど、パスワードを忘れていたためにログインできなかった。そんな程度の記憶力じゃ大変心もとない・・・。

8月18日にデンマーク入りしてから半月が経った。この大学(以後CBS:コペンハーゲン ビジネススクール)にはこの夏、600人以上の交換留学生が来ているそうで、交換留学生対象のオリエンテーション、説明会等が一週間続いた。ようやく授業を一週間こなしたところである。

すなわち先週まで、ほとんど周りが交換留学生のみという環境で動いていた。眺めていて面白いのは、自然に出来上がるグループである。それはオリエンテーションのグループでも、わたくしの居る寮でもほとんど同じだったりする。

状況は以下の通り。
(1)アメリカ人・ドイツ人グループ、
(2)イタリア人・フランス人・スペイン人グループ
(3)中国人グループ


その他、ブラジル、インド、日本人(ほとんど居ない)は適当に。

なぜこのように分かれるのか。まず第一の分岐点は、「ヨーロッパ慣れしているかどうか」という点で、(1)(2)と(3)が分かれる。なぜこの点が重要かというと、授業が始まる前のイントロダクション・ウィークではほとんど毎晩、CBSの学生が用意してくれた夜のイベント(クラブでパーティーだったり、アミューズメントパークだったり、フォークダンスだったり。参加は任意。)があったのだが、中国人はそれにうまくなじめない。ビール片手に音楽をガンガン鳴らしてワイワイ、というのに慣れていないのだ。自然と彼らは夜のイベントに来なくなり、交流の幅が狭まる。

次の分岐点は「英語力」だ。(1)アメリカ人・ドイツ人は(前者は当たり前だけど)英語が達者だ。ドイツ人はかなりの確率で、訛りのないパーフェクトな英語を話す。そして彼らの英語は速い。(2)イタリア人・フランス人・スペイン人はというと、大体上手でない。訛りはひどいし、英語も完全には聞き取れていないみたいだ。自然、会話能力の点で(1)となんとなく剃りが合わないので、(2)は(2)でゆっくりめでテンション任せ(?)の会話を楽しむ。

(1)と(2)の間には、国民性もあると思う。(2)のラテン系のノリはアメリカ人・ドイツ人とはちょっと違う。あと、わたくしの知る限り(2)はかなりの確率でスモーカーでもあり、それが団結の重要な要素になってたりもするようだ。

・・・

結局はコミュニケーションのしやすさで固まるわけだ。それが共通点(遊び方・スモーカーかどうか)だったり、コミュニケーション・ツール(英語力)だったりするというだけで、特別新しいことを書いているわけではない。でも、けっこう明らかに分類されているのでなんだか面白いのだ。

さてわたくしは??

この寮の話をすると、大まか(2)のグループに居る。総数でイタリア人が多いこともあるが、その中でもわりと多国籍な感じの(?)グループで、クロアチア、オーストリア出身の男の子が面白い。あと、私と同レベルの英語力の、イタリア人の女の子と仲がよい。でもでも、ルームメイトはアメリカ人で、彼女はやはりドイツ人と仲がよいので少しはそっちにも進出(?)したり、という感じ。パーティー好き(もしくはよく誰かに誘われる)な子なので、いろいろ誘ってくれてありがたかったりする。この点、ルームメイトがアジア人じゃなくてよかったのかもしれない。

なんだか中国人を悪く書いてしまったようだけど、、、少し弁解。

最初の分類で中国人は夜遊びに慣れていない、と書いたが、そこには留学コストも関係しているのかなぁと思ったりもする。交換留学生の総数をざっと目算すると、

ドイツ人:4
イタリア人:2
アメリカ・フランス・スペイン人:2
中国人:1.5
その他:0.5

という感じなのだが、やっぱり上の3グループは留学コストが低いように思う。地理的にも、精神的にもだ。自国の携帯をここでも難なく使える、というだけでも精神的コストはだいぶ違うのではないか。一方、中国人(チャイナ、ホンコン、台湾、シンガポール)はかなり遠くから来ている。ヨーロッパが始めてという人も多く、留学は比較的大層な出来事なのではないだろうか。日が長く、夜の治安が大変良いからといって遊びに出かけてばかりというのは気が進まないという彼らの気持ち(あくまで推測)も分かる話だ。

そんなわけで、留学生生活にも慣れてきた。他にも書きたいトピックがいくつかあるのだけど、、また今度。