そう書いても、1年前の私なら意味が分からなかったと思うし、これを読んでいる数少ない人にとってもそうだと思う。
グループホーム
=知的障害者の共同生活住宅
自立援助ホーム
=15-19歳で、高校中退や高校卒業などで児童養護施設にいられない子や、その他の事情で家に居られない子が、、就労しながら自立を目指す共同住宅
わたしは、グループホームと自立援助ホームが隣り合わせの施設で、それぞれに関わる仕事をしている。どちらも女の子専用なので、これからの話は女の子に限ったことなのかもしれない。要は、それぞれに入る女の子たちは似ていて、「どちらにも入れるけど、どちらかというとこっち」という風に入ってくる子が多いのだ。何を意味するのかと言うと、虐待などで家に帰れず、かつ自身に発達障害などの障害がある、という20歳前の女の子が多い。こういう場合、自立援助ホームは20歳の誕生日までに退去しなくてはいけないことが両者を大きく分けていて、
20歳までに働いてお金を貯め、自立できそうな子→自立援助ホーム
20歳までには難しそうな子→グループホーム
という感じになっている。もちろん、グループホームは自立を目指す子ばかりではないし、福祉就労以外の仕事が難しい人もいて、その人たちにとっては終生の住まいになる。一方で、20歳前で場合によっては一般就労ができる子にとっては、共同生活を一生続ける、続けたい、と思うこと自体がまれではないか。将来的に出ていくことを目指すのだが、20歳までの期間を考えて、それで難しければグループホームも選択肢になる。20歳になって、障害基礎年金を取得できそうな障害かどうかも、ひとつ線引きになる。
いずれにしても、発達障害や精神障害を抱えて、親にも頼れずに、ひと一倍の自立力を付けなくてはいけない。自立援助ホームでは、自立を促すノウハウというか、接し方ができているのだと思う。一方でグループホームは、おそらく歴史の中では「自立」を念頭に置かない、置けないような重度の障害者と接してきた。自立を促す接し方や生活力の向上が、うまく支援できていない。・・・いや、私の職場が、というより、業界全体がそうなのではないかなーという見立てである。
(つづく)