ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

日本の女性は育休長すぎ

2014-06-01 21:35:01 | Private・雑感

娘は昨日で生後7カ月、朝5時ごろから転げ回ったり、人に抱きついたりするようになり、生存能力が少し上がってきました。そして私は来週から仕事に復帰です。勤務地を東京から名古屋に移してもらい、名駅前の営業所を拠点に、ひとり名古屋編集部の仕事が始まります。

当初、育休はなんとなく子どもが一歳になるまで…と思っていました。育休制度やほかの制度利用者に引きずられて。でも、条件が揃えば、生後3ヶ月程度で復帰は可能だなというのが実感。事実、ベトナムでは(確か)産前を含めて4ヶ月→時短復帰、という制度だったし(最近6ヶ月になったはずですが)、ほかのアジアの国も産前を含めて3、4ヶ月が普通で、時短の法制度はない。オランダだって産前含めて4ヶ月。
http://toyokeizai.net/articles/-/13268?page=3
一般論として日本の女性は休みすぎです。女性のキャリアアップが難しくて当然。女性の休業がもし3、4ヶ月なら、会社も穴埋めに悩まされることが少ないだろうし、女性も第二子、第三子を考えやすい。出産の高齢化が進む中では大きな意味があります。(確かにベトナムなど、同居の実母、義母らが面倒見てくれる場合が多いという事情もあるかもしれませんが、その代わりに日本の多くの保育園は生後2ヶ月から預かってくれています。)

でも、日本女性が怠けている、とうわけではない(以下、一般論として)。「条件が揃えば」と書きましたが、その最大の条件はパートナーの労働時間だと思います。労働基準法通り、一日8時間、週休2日、もしくはそれに近い働き方なら、女性側が産後3ヶ月くらいで復帰できたり、時短や、理想としては週休3日か4日働く、ということが可能な家庭が多いと思います。でも、そんな働き方ができている男性がいない、もっと言えば、そんな働き方を目指してさえいない男性が多いわけです。
「うちの奥さんは専業主婦希望だから」と言う人もいるかもしれませんが、そりゃ、ピーピー泣く幼子と、夫が帰ってくる夜10時、11時まで、14時間も15時間も2人きりなら、体力も使うし、外で働く自信がなくなること請け合いです。正直、専業主婦は大変過ぎて、私には出来ないわ…と思います。

ほかの条件は、まあ保育園などは、状況改善を願うばかり。そりゃあうちの子は、夜泣きもほとんどせず、一晩で一度起きるか起きないかだし、女の子だから男の子よりだいぶ大人しく、だから余裕持ってこんなこと言えるんだろうと思います。
それに、復帰してから「やっぱり超大変」と泣くことになるかも。だから話半分に聞いてもらってよいのですが、同世代の男性方にこれだけは言いたい。あなたの長時間労働が、少なからずパートナーの社会的な自信を無くさせているんですよ、と。

・・・とここまで、一気にFacebookに(勇気をもって)書き込んでみたところ、全然反応なしで腰抜けというか、やっぱりというか。反応を期待していたのだけど・・・、「名古屋ですか、ランチ行きましょう!」みたいなコメントがあるだけ。Facebookは、「いいね!」と単純に言えるようなことしか漂わない空間。ほとんど得るものはないのに、抜け出せない空間・・・。さて早く寝ようっと。ドキドキの初日に限って、彼が今夜から泊まり勤務で明日の朝はいないという不運。


映画「アクト・オブ・キリング」

2014-06-01 21:34:21 | Movie

話題のドキュメンタリー映画「アクト・オブ・キリング」を観てきた。観た方がいいと思う、こんな映画はもう二度と出てこないから。私にしては珍しいが、もう一度観たいと思った。ドキュメンタリーは、辛い事実を観ることが多くて、いつもは一回観るのにえらくエネルギーを使ってしまい、二度目を考えないのだけど。

もう一度観たいと感じている理由は、この映画は辛さを突きつけるのではなく、人間の、社会の不思議さを突きつけているからだと思う。人は、大した理由もなく(華人だからとか、共産主義者っぽいからとか、共産主義を盾にアメリカ映画の上映阻止を訴えているとかで)、虐殺を楽しめるものなのだろうか。別にゴッドファーザーのような特殊な家庭に生まれた人ではない。ただの、映画館のダフ屋をやっていたチンピラが。

そして、「1000人は殺したよ」と言う彼らを、(そして映画には出てこない、同じように虐殺を実行した多くのギャングたちを)、隣人として平穏を装って暮らすだけにとどまらず、英雄にしたり、現役政治家が慰問したり、選挙の立候補を要請したりという社会がなぜあり得るのか。1965年当時の大虐殺で、犠牲者は100万人とも200万人とも言われる。遺族はその数倍いて、生きているというのに。

ひとつめの疑問は、映画で少し理解した気がする。彼らは、少年のように映画スターに、アクション(虐殺)映画に憧れて、真似していたようだった。でもそれだけで、血がベトベトにまとわりつく人生を続けられるだろうか。彼らは銃で殺すのではなく、針金で首を絞めたり、殴り殺したりというやり方なのだ。

彼らをおだてた人たちもまた、権力者にとどまっている。例えば、地元新聞の編集長は、「あいつはアカだ」とギャング達に伝えては、殺してしまえと促した。映画館の向かいにある新聞社の社屋の屋上を使わせた。でも、この社会の成り立つ理由はわからないところが多いから、もう一度観たい。