先週、旅行先の鳥羽の民宿で、「新報道2001」を見ていた。
岡田民主党幹事長と、細田自民党幹事長、傍らにK先生。
北朝鮮問題なんかもやっていた気がするが、
それらを忘れるくらい、年金議論がヒートアップしていた。
議論はかみ合ってなかったけど、
多くの視聴者は
「年金って破綻しないの?なんで??」
「年金不信ってメディアのせいなの?
司会者の黒岩祐治という人は、なんでこんなけんか腰なの?」
という程度の印象に終わったはず。
かなり消化不良に終わった人も多いと思う。
今週の「新報道2001」を見て、
先週はあれでよかったのだな、と思った。
整理立てて年金制度の解説や意見を紹介していて、いろんな点が腑に落ちた。
私自身は、いろいろなことを思い出した。
番組を見て新しく考えたのは、「破綻」の定義についてだ。
民主党の長妻議員は
「最低保障をするという制度であるべき年金が、最低保障をしていない。
100年安心といっている現在の年金制度で、
100年安心出来ないという点で破綻だ」
「確かに、未納率が上がっても、もらえなくなるということはない」
という趣旨のことを言っていた。
・・・そんなあやふやな、定義づけられないラインをもって
「破綻」なんて言われたら困る。
一般には、「破綻」という言葉は、「払ってももらえない、ほとんどもらえない」
というイメージを持っているとわかってるだろうに。
あとはVTRで、「未納率6割強というのは、ほとんど誤解に近い」こととか、
「未納率が高まっても制度上は何も響かない」というようなことが
わかりやすく説明された。
ショッキングだったのは最後。
「ゲーテ」の編集長という人が、一般国民を代表して(という立場で)発言した。
「若い人は、とにかく厚生年金の保険料が高いと思ってる。
所得が少なくて、子どもも産めない。
一番の不信の根源は、『消えた年金記録』だと思う。
高い保険料払っても、記録されてなくてもらえないかもしれない、だから払わない。
そこをちゃんとしてほしい」
というようなこと。
「未納率」「破綻」「最低保障」などの議論は、不信の原因ではなくて単なる政争の道具で、
一番わかりやすい、年金記録の問題こそが不信の元にあるのか。
先週、今週の議論が少しむなしく見えた・・・といっても、
この番組は政策を作ったり運用したりする人にも発信しているとすれば、
制度論でいいのだと思うけど。
それにしても、この黒岩さんという人には腹が立った。
あなた何者?
ヒートアップさせてコメンテーターを怒らせ、
何か言わせようというのは、テレビのコーディネーターとして
重要なのかもしれないけど、とても不愉快だった。
民主党も・・・年金の議論を、年金記録だけにしといてくれればよかったのに。