ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

児童養護施設か里親か

2016-10-23 18:04:50 | Private・雑感
4月から、社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取るべく通信の大学生をやっている。日頃はネットで授業を受け(実際は「再生」してどんどん「受講済み」にし)、それが終わると在宅でネットでテストを受けているのだが、今日は初めてスクーリングの授業だった。今日は、夫に、夫の実家でおうち保育園をやってもらっている。

授業を受けたり、ほかの受講者と話をしたりして感じたこと。社会福祉士の仕事は問題の整理をして、優先順位をつけること。それくらいだ。何が緊急的な課題なのか。ジェノグラムやエコマップを作って整理する。
仕事はそれくらいなのだから、そこは時間と手間をかけてやる必要がある、と思った。

あとは、講師さんが児童養護施設の人で、施設養護の小舎制でどのように愛着形成の工夫をしているか紹介してくれた。子ども自身が生い立ちを整理するのに力を入れていること。職員が子どもと2人で食事に行くなどで、関係性を作らせていること。いかにも「施設行事」なものは廃止して、小舎ごとのイベントにお金をまわしていること。

私の中で、里親を増やすより、児童養護施設が小舎制をどんどん進めて行くことの方が現実的に進めやすいし、愛着形成もしやすいのではないか、愛着形成に必要な資源(ノウハウや相談・研究体制)を得やすいのではないかという思いが固まってきた。実親との関係性を残して愛着を形成するというのは本当に難しくて専門的な仕事だ。それを里親という個々の家庭がやるのは、成功例を作りにくいと感じる。

そんな自分の考えを基にしてどう動いていくかはまたこれから、おいおい考えるとして。今日感じたことを書いてみました。

反巨人、反自民

2016-10-23 09:32:02 | Private・雑感
今、伊勢の福祉事業所に勤めている。そこの60代の管理者や創設メンバーと初めてお酒を飲んだ。

「なぜ私たちは気が合うのか」という話。60代の2人の共通点として上がったのは、お互いの親が「旧体制的」=母親が農家の嫁として身を小さくして過ごし、祖母が孫を手にかけ、それを父親は文句も言わず威厳的に存在する、もしくは子どもをぶつ、など=であり、それに反発して育ったということ。2人は元教員だ。団塊の世代より少し下くらいか。

民主党の支持者としてそういう人たちはおまり意識したことがなかった。両親に、戦時中を20代で生き延び、そこから這い上がり(ある意味、アメリカのアイルランド移民のような状況か)、威厳のある暴力的な振る舞いが許された父親、服従的な母親を持ち、そうはなるまいと育つ。
そしてその子どもたちは?リベラルで男女平等、共働きの両親に育てられた子ども(私の世代)は…。「私は家庭を大事にしたい!」といって親を反面教師にしたりもするから面白い。

とにかくこの日は、「反自民」が「反巨人」とセットて語られたのが面白かった。反自民と反巨人をセットにするのは、夫との間では頻出だったけど、家の外では聞いたことがなかったので。ではなぜ私や夫が反自民、反巨人なのか?それはよくわからない…。

子どもは簡単に死んでしまう

2016-10-20 04:46:48 | Private・雑感

子どもはいとも簡単に死んでしまう。本当に死んでしまう。偶然目にした朝日新聞のこの記事、この連載を読んでいてつらかった。

「バイバイ」笑顔の幼子、母は橋から落としたhttp://www.asahi.com/articles/ASJBJ7D61JBJUUPI00G.html

3歳の子どもを橋から川に落としたという。子どもが感じただろう苦しみを想像して、衝撃が来る。そのあとに、「どうすればよかったのだろう」という思い。もちろん、命を救うべきだった。行政による一時保護ができたはずだ。では一時保護をしたあと、どうなっただろうか。そう簡単に、児童養護施設の子どもにしてしまえるだろうか。それでも、そこには幸せになれる可能性はあった。

子育ては、例えば新卒で就く仕事のようなものだ。規則正しいかかわり、継続的で非断続的な業務、積み重ね、他機関との調整、、。学生時代には全く経験しなかったものを求められる。「就職後の生活」と同じく、「出産後の生活」はイメージも不十分にしかできない。

業務が多すぎて、助けも求めにくくて、つぶれてしまうこともある。夫などからパワハラ、セクハラを受ける可能性もある環境。うつ病も身近である。

ただ、「転職」ができない。

うつ病になったり、交際相手の男性に疎ましがられても、休職も転職もできない。負担軽減も、環境的にできない場合が多い。

全くできないわけではない。休職=子育て短期支援(ショートステイ)、転職=養子。これをもっと身近にして、罪悪感も減らしていくことは、子どもを守るためには必要ではないか。特に、ショートステイと、養子縁組の中でも赤ちゃん縁組と呼ばれるもの。赤ちゃん縁組は少し知名度が上がってきたが、ショートステイの充実についてはあまり聞かない。これは、縁組事業の大半を民間団体が行っており、ショートステイは大半を行政(児童相談所を通じた利用)が担っているからかもしれない。

ファミリーサポートセンターなども、子どもを泊りで預かってくれたりもするが・・・。介護保険におけるショートステイほどに認知されていなかったり利用しやすくはなっていないことは確かだ。

もっと子どもとかかわりたい、子育てに参加したい人はたくさんいるのだ。すべての子どもに、「親子関係」を保障しようと思ったら不可能だということを前提に、すべての子どもに「生育環境」を保障してあげたい。


里親を増やすために必要なのは普及啓発ではないと思う

2016-10-09 04:52:24 | Private・雑感
里親普及月間だとかで、近所で里親シンポジウムがあり、託児も申し込んで行って来ました。興味があるのは、里親ではなく特別養子縁組なのだけど。講演の中でも言っていた、社会的養護としての特別養子縁組。最近、それを社会的養育と表現するらしい。

三重県の児童相談所の人や知事が言うところには、三重県で児童養護施設や里親宅で過ごす子どもは500人。18歳未満の子どもの数で割ると550人に一人の数だという。
で、啓発で里親を増やし、里親を増やして家庭的環境の中で要保護児童を育てたいのだというが…。必要なのは啓発なのか?という疑問が最初からあった。里親は、個人事業主に近いものがある。一人の子どもを受託すると月に7万円ちょっと(第二子以降は確か半額)と幼稚園費などの学費、などなどが支給される。個人保育園をやりませんか?というイメージ。副業としてやるなら里親だし、専業でやるなら専門里親とかファミリーホームというやり方がありますよ、と。預かる時間は保育園と逆で、加えて「親業」も入ってくる。もちろん、シンポジウムではそういう説明の仕方ではなかったけど。

以前、児童養護施設の職員で、結婚して妻とファミリーホームを立ち上げた、という人の話を聞いたことがある。それがとても自然な形ではないか。児童養護施設の職員、保育園や学校職員、、。そういう関係の学生によくよくアピールしておき、経験を積んだ後にこういう事業やりませんか、と伝えておくとか。社会的養護に関わった経験からすると、里親はほんとに、仕事と思ってやらないと難しいと思う。

普及啓発で増えるとすれば、特別養子縁組ではないか。それも、愛知でやっているような赤ちゃん縁組を進めること。一年でも二年でも、身体的虐待やネグレクトを受けている子どもを育てるのは、専門的な対応が必要と思われるが、産まれたての赤ちゃんを引き取るのであれば、今うちにいるやんちゃな二人にしてきたことをすればよいと思える。特別なことではないと。赤ちゃん縁組なら、不妊治療に取り組む人の行き先としても考えやすい。親権を手放さない親が多いのも事実だが、養子縁組できる子がすべて縁組に繋がっていないのも事実なのだから。

講演自体、いまいちだったこともあり、そんなことを考えながら帰ってきました。託児付きというのはよい!講演聴きながらウトウト…というのも普段はなかなかできないからね。

期待と現実

2016-10-04 09:11:07 | Private・雑感
期待と現実に差があるときに、悔しさややるせなさが訪れる。例えば今日。仕事が休みの平日だから、早く下の子を迎えに行ってダラダラ過ごしたい、という期待。午後1時から4時はマンションが断水のため、それがとても不合理でありいつも通り4時過ぎに迎えに行くしかないかなという現実。

昨日は夫か夜勤で夜はワンオペ育児だったので今夜は彼は夜勤じゃないはすだ、という期待に対し、前から決まっていた打ち合わせと飲み会のため夜は遅いという現実。

そういう積み重ねにやられやすい時期というのがある、