今の職場では、統合失調症がかなり身近な疾患となっている。ひきこもりをして長年になっている人の中に、これほどにも統合失調症の病名の付いた人が多いのか。100人に1人が罹患すると言われるだけあって、出会うべくして出会っている人たちだと思う。
幻聴、幻覚といった症状が知られるが、全体像を学んだことがなかったので、新書を一冊読んでみた。統合失調症の人は、ほんとに心が疲れるだろうな…、それが一番の読後感だ。
統合失調症の症状を分解していった中で、一番印象に残ったのは「認知機能障害」である。統合失調症の人は、何事にも度を超えて敏感であり、普通の人なら同じ刺激に二度目、三度目は慣れていって刺激が小さくなるのに対し、それが同じ大きさの刺激で受け止められる。また、肝心なことに注意を向けるのが難しく、無関係なことに気を取られやすい。情報の取捨選択、フィルタリングが下手である。
形式論理の障害、というのも興味深い。これは、「すべてのAはBである」と「Aの中にBがある」を混同してしまうというもの。例えば、「黒い服を着た人の中にはスパイがいる」ということが、「黒い服を着た人はすべて、スパイである」となってしまう。
こういった認知機能障害によって、肝心でない情報に常に敏感になっている状態が続く。そうすると、事実誤認が起きやすい。それが妄想と捉えられるものになっていく。
人間は刺激を慣れや習慣にすることで、自分を守っている側面があるのだと思う。そうできないことを想像すると恐ろしい。例えばわたしのように転居や転職が多かったなら、余計に耐えがたい刺激に晒され続けることになり、ひきこもりたくもなるだろう。
岡田尊司の文章はわかりやすく、趣深い。最近、自分の中の「研究心」の陰りを感じていたが、この人の本をどんどん読んでいくのもよい研究になるかもしれない。
幻聴、幻覚といった症状が知られるが、全体像を学んだことがなかったので、新書を一冊読んでみた。統合失調症の人は、ほんとに心が疲れるだろうな…、それが一番の読後感だ。
統合失調症の症状を分解していった中で、一番印象に残ったのは「認知機能障害」である。統合失調症の人は、何事にも度を超えて敏感であり、普通の人なら同じ刺激に二度目、三度目は慣れていって刺激が小さくなるのに対し、それが同じ大きさの刺激で受け止められる。また、肝心なことに注意を向けるのが難しく、無関係なことに気を取られやすい。情報の取捨選択、フィルタリングが下手である。
形式論理の障害、というのも興味深い。これは、「すべてのAはBである」と「Aの中にBがある」を混同してしまうというもの。例えば、「黒い服を着た人の中にはスパイがいる」ということが、「黒い服を着た人はすべて、スパイである」となってしまう。
こういった認知機能障害によって、肝心でない情報に常に敏感になっている状態が続く。そうすると、事実誤認が起きやすい。それが妄想と捉えられるものになっていく。
人間は刺激を慣れや習慣にすることで、自分を守っている側面があるのだと思う。そうできないことを想像すると恐ろしい。例えばわたしのように転居や転職が多かったなら、余計に耐えがたい刺激に晒され続けることになり、ひきこもりたくもなるだろう。
岡田尊司の文章はわかりやすく、趣深い。最近、自分の中の「研究心」の陰りを感じていたが、この人の本をどんどん読んでいくのもよい研究になるかもしれない。