亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

結果を先取りする市場

2014年04月02日 23時40分23秒 | 金市場

今週は4月4日の雇用統計に多くの関心が向かっており、とにかく暖かくなれば米国景気は本来の姿を取戻し、力強さが戻るという前提で、時間が経過している。発表される米国関連のデータも、この見通しから大きく逸れるものはなく、ここまでは概ね順調。

昨日発表されたISM(米供給管理協会)製造業景況指数は、まさにそういうことだった。3月の数字は2月の53.2から53.7へ2ヵ月連続の上昇となり、大寒波というイレギュラーな要素により前月までは回復が阻害されていたとの見方が高まった。

ただし、このISM製造業景況指数にしても市場予想は54.0であって、高めの数字が予想されていた。つまり改善は、かなりの部分織り込み済みという捉え方ができる。その点では雇用統計も雇用者数の増加が19万人増とFRBが一つの基準としている20万人増に迫る内容で、中にはドイツ銀行のように27万人台と超強気のところまで出ている。つまり、“春になれば改善”をフルに織り込んでいるわけで、その前提で株高、ドル高が進んでいる。反対側で週初めから金が売られてきた。したがって、バーは上がっており、その期待に沿えない場合には、株は急反落、金はショートカバーで急反発ということになりそうだ。

ウクライナ情勢にしても、伝えられたウクライナ東部の国境に動員されている部隊の一部が撤収したとのニュースにしても、ロシアのメディアが流したもので、それが実態を表しているのかさえ不明。昨日はNATO(北大西洋条約機構)のラスムセン事務総長が、そうした動きを確認できていないと発言したとされる。そもそもいまだ外交的駆け引きの真っ最中であり、先の国民投票にしてもロシア側が強引な舞台設定で“民主的プロセス”を作り出したものであって、額面通りには受け取れないのが実情のようだ。つまりプーチンによる周到な演出が施されている。

市場の常ではあるが、期待先行で価格展開が進んでいる。特にNY株はその傾向が強そうだ。


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