亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金終値で史上最高値更新

2024年03月02日 16時21分29秒 | 金市場

週末3月1日のNY金は大幅に続伸した。

NYコメックスの通常取引は前日比41.0ドル高の2095.70ドルで終了。終値ベースで昨年12月27日の2093.10ドルを上回り約2カ月ぶりに史上最高値を更新した。高値は2097.10ドルだった。週間ベースでは46.30ドル、2.26%高の続伸となった。

 

この日、米ISM(サプライマネジメント協会)が発表した2月の製造業購買担当者景況指数(P MI)は47.8と前月(49.1)から予想外に低下した。市場は49.5への改善を読んでいた。景気後退を意味する50割れは16カ月連続となり、2000年8月~02年1月以来約22年ぶりの長期低迷となった。ただ、ITバブルの崩壊や01年の米同時テロによって40台前半まで下落した当時とは異なり、より小幅な不況にとどまっている。先行指標となる新規受注指数は今年2月に49.2となり、1月の52.5から悪化。2月の生産指数も48.4と、1月の50.4から悪化した。

 

前日に重要なインフレ指標(コアPCEデフレーター)を市場予想の範囲で通過し、インフレ沈静化方向を確認していたこともあり、この日の製造業景況指数の予想外の悪化を受け米長期金利は低下した 10年債利回りは朝方4.301%まで上昇していたが、一時4.178%まで下げ4.185%で終了した。

同じ1日、ミシガン大学が発表した消費者調査では、2月の景況感指数(確報値)は76.9となり、1月の確報値(79.0)から低下。市場予想の79.6も大きく下回った。消費者センチメントの低下は個人消費への影響が考えられ、このところ後退していた上半期中の米利下げ観測が再び浮上し、利回り低下につながった。

政策の方向性を映すことで知られる2年債利回りは、週初の4.729%から大きく低下し4.542%で終了した。

 

一方為替市場では、ユーロが対ドルで4日ぶりに反発したことでドル指数(DXY)は前日の2週間ぶりの高値から反落し104ポイント割れの103.861で終了。

ただし、ドルは対円でやや上昇し150.13円で終了した。

ブラジル・サンパウロで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に参加した日銀植田総裁は、2月29日現地での会見で、2%の物価目標の持続的・安定的実現について、現時点で達成が見通せる状況ではないとの認識を示した。円は一時150.73円まで売られたものの米指標を受け買い戻され150.13円で終了した。

 

NY金が終値で高値を更新したタイミングに150円台の円安が重なったことで、日本取引所(JPX)傘下の大阪取引所金先物価格は、3月1日の夜間取引にて一時1万0072円と昨年12月4日に記録していた1万0028円の史上最高値を突破。終値でも1万0054円と高値を更新して終了した。

週明け3月4日の店頭小売価格も税込み1万1000円を超え最高値を更新するとみられる。

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