亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

1000ドル超へ(!?)

2005年11月28日 20時13分05秒 | 金市場
さてさてNYが感謝祭休日の間に煽るわ、煽るわ・・・・。なんだか久々に東京がはしゃぎまくった3日間という感じだった。今日のTOCOM(東京工業品取引所)での買い上がりにスポット価格も一時は499ドル台ミドルまで行って押し返された。東京市場の買いが必ずしも全てがジャパン・マネーを意味しないのはグローバル化が進んだ今や常識といっていいが、金価格でこっちが主導したのは久々ではないかと。

ところで昨日Bloombergが流したニュースで「ニューモント、アジア需要拡大で金価格1000ドル以上を予想」というものがあった。ニューモントとはニューモント・マイニング社のことで世界最大の金鉱会社を指す。そこのピエール・ラソンド社長がオーストラリアのTV番組のインタビューに答えて、今後5~7年で金価格は1000ドルを超えるとしたそうな。以前メリル・リンチの地質学専門家で以前は日本にもたびたび来ていたグラハム・バーチが中国需要の盛り上がりで2010年までに725ドルになるとインタビューに答えていたけど(7月14日)、その水準を越える1000ドルという数字が出てきたわけ。上昇見込みの背景として挙げているのは、今回も中国に加えインドなどアジア需要。

このニュースを見て思うのは、需要の伸びを素直に評価しようとの気運が高まっているという点。インドや中国の経済成長は事実であって、着実に所得は伸びている。前にも書いたがインドでは金需要の中心はこれまで農村部でハイ・カラット・ジュエリーが投資を兼ねて買われたが、今では都市部で宝飾店の開店が増えてファッション性の高いものの売れ行きも伸びているという。かつて80年代にもアジア諸国の成長のおりに金需要の伸びが注目されたが、第2次ブームしかも規模の大きな需要増加の波が来そうだということ。需給構造に久々に変化が見られるという意味では、単なるマネーゲームではないということを強調したいんだろう。

もっとも、ニューモントは以前から強気の見通しを発表することで業界でも知られた存在で、これまでも高めの価格見通しを出しては注目されてきたのも事実。90年代の下げ局面でも先売り(ヘッジ)をしなかったことでも有名な会社で、この上げ相場でウハウハなのだよ。流れに乗っているのは事実。“当たり屋につけ”だね。それにしても今回の「1000ドル超見通し」も「メリルの725ドル見通し」も最初に流したのはBloombergというのもねぇ~・・・と、そういうことばかりに関心を示して、実際の相場は見ないというオタクな人も多いのだよGold-Bugには。。。(多分ね、ははは)。

関係ないけど、おととい関空からの帰りに見た空がきれいだったので載せておきます。

・・・・別に“青天井”と言いたいわけではないけど、まぁ偶然の一致。それにしても、なぜこの写真を今載せようと思ったのか自分でも不思議だわ・・・マジで。

メリルのバーチ
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1 コメント

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青天井? (ナンピン)
2005-11-29 08:58:36


毎日、金を売買してる者です。

「なぜかこの写真」・・・お気持ちなんとなくわかる気がします。

『おいおい、まだ行くのかよ!』俺A

『プレーヤーが違うんだから上がって当然!』俺B



 青天井 雲の上にも 青い空 ?





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