昨夜は締め切り原稿の関係で遅めの更新となったが、更新時点までのNY金の安値は1782.00ドルだったが、その後NYの通常取引およびその後の時間外と、この水準を下回ることはなかった。通常取引の終値は前日比30.90ドル安の1787.80ドルで、時間外取引もほぼ同じ水準で終了した。
昨日は結局、米国株式の大幅安に象徴されるリスクオフ・センチメントの広がりの中で、昨夜の時点でドル指数(DXY)が1ポイント程度上昇していたが、リスクオフで買われやすいドルが上昇、金市場の売りにつながった。FOMC当日はメンバー予測により、2023年末の利上げ到達点金利(ターミナルレート)が5.1%つまり実質5.25%に引き上げられた。さらにその後の記者会見にて、パウエル議長が来年3月の会合でのさらなる引き上げの可能性も否定しなかった。にもかかわらず1800ドル超の水準を維持したNY金だったが、15日は市場横断的なリスクオフ・センチメント拡大の中で、換金売りの対象になったとみられる。背景には、この6週間弱で10%強、190ドルほど値上がりしたことがある。
金市場からの資金逃避の売りでなく、cash-out 資金捻出の対象になったということだろう。押し目がどの程度入るか注目としたが、変わりなし。
本日はラジオNIKKEIの市況番組「マーケット・プレス前場」に午前9時35分から電話出演だった。2023年のNY金については、上半期、下半期それぞれ2つの山が到来するイメージと話した。2000ドルを超えると思われるが、どちらの山が高いかは複合要因の組み合わせによる。これもイメージだが、前半の方が急伸の要素が強いのではと思われる。
来週発売の月刊誌のひとつには、いくつかある強気の理由の一つとして、
・23年上半期中にこれまでのFRBの累積利上げ効果が顕在化し、米国ではすでに減速が目立つ住宅市場を中心に悪化が加速。景気後退懸念に対する市場センチメントの振れが、株式はじめ市場の値動きを大きくし、米国株は22年中に付けた安値を更新。 その中でインフレ傾向は続きスタグフレーションが意識され安全資産としての金への関心が高まる。
・・・と書いた。
言うまでもなく個人的意見。 イエレン米財務長官はソフトランディングはなお可能と今週も発言している。
本日の米国株式市場は、株価指数の先物とオプション、個別株のオプションの取引期限が重なる四半期に一度の「トリプルウィッチング」だとかで、引き続き騒がしくなるのだろうか。いわゆるメジャーSQ。本日はS&Pグローバルの12月PMIの発表くらいしかめぼしいものはない。