亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ミルク補給(金融当局のリスクテイク)で底割れ回避の金融

2009年04月29日 12時49分47秒 | 金融市場の話題
ストレステストの結果が各機関に通知されたのが先週末。金融当局の判断基準と金融機関サイドの判断基準に食い違いは当前のごとく発生したと思われ、結果説明については60分以内に終わったところが数行で、後はかなり難航したという話もある。28日付でウォール・ストリート・ジャーナルがシティ・グループとバンク・オブ・アメリカ(BOfA)の資本不足を伝えている。ブルーム・バーグも後追いでBOfAが70億ドルほどの資本注入が必要になりそうとしているが、まだまだ未定。

1-3月期の決算が良かったのは、FRBを中心に市場金利の押し下げやクレジット・クランチの緩和を大義名分にエージェンシー債(住宅債券)や証券化商品の買い取りを年始早々の1月5日から行っていた効果が出たもの。3月25日からは、国債の買い取りも加わった。その前の昨年末12月のFOMCにて「量的緩和採用も」というアナウンスメント効果でその後債券相場が急騰した折の稼ぎがモノを言った部分も大きいと見られる。結局、当局が際限なくリスクを取ることで、ひねり出した売買益につき、足元の環境を考えると持続性に疑問が付くことになる。証券部門の利益は水ものだから。

多くが実質債務超過と見られていたので、これでもかなり改善されたといえるが、化粧を施されているのも事実で、今後の景気の振れでその実態も浮き彫りになりそうだ。不良資産の買い取りの進展(損切り)がやはりカギを握りそう。

財務省にしてもFRBにしてもどこまで続ける必要があるのかメドが立たない状況。「続ける必要がある」という部分が「続けられるのか?」に転じるとこれはマズイが、当面は大丈夫だろうという予見で市場は一応の安定を保っているわけだ。

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