亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

為替要因で最高値圏での滞留続く国内金価格

2023年07月24日 20時04分14秒 | 金市場

今週予想通り米利上げが実行されると政策金利は5.25~5.50%となる。年初時点では、年央のタイミングでの、この水準までの上昇を読んだ連邦準備理事会(FRB)高官は少なかったと思う。それは同時に足元の米国経済の想定外の底堅さを意味する。

現時点の市場の大勢的な見方は、今回利上げし、次の9月は見送りし引き上げた水準を当面維持し、経済指標の変化を見ようというもので、状況によりそのまま利上げサイクルは終息する可能性がある。

先週のNY金のレンジは、1949.00~1989.80ドルのレンジで滞留時間が長かったのは1970ドル台だった。

一方、先週は不安定なドル・円相場が想定されたが、前週までの円高の反動安のようなドル・円相場の動きから国内金価格は為替要因で想定より水準が大きく切り上がることになった。

ドル・円相場が21日まで大幅に4営業日続落し週末21日は141.80~90円で取引を終えた。日銀が27~28日の金融政策決定会合で現行の政策を据え置くとの観測報道が相次ぎ(ロイター、ブルームバーグなど)、日米の金融政策の違いを背景とした円安・ドル高の流れが鮮明となり国内金価格には押し上げ要因となった。 前週末7月14日から21日の間に2.98円の円安ドル高となったが、国内価格には概算で188円ほどの押し上下効果があったとみられる。

JPX日本取引所傘下の大阪取引所の先物価格は、終値ベースの過去最高値が7月5日の8936円、取引時間中の過去最高値が7月6日の8962円となっている。

対して先週21日の夜間取引で8945円まで付け、本日24日の日中取引の終値は8902円となった。最高値圏での取引が続いている。今週は27~28日に日銀の金融政策決定会合が予定されているが、政策変更なし見通しを複数の通信社が先週末に流したことで、急激に円安が進んだ。

ただし、この流れがそのまま続くとはいえない。植田総裁の発言内容だけでも、値動きが大きくなる可能性がある。また次回や近い将来の政策変更があり得るので、決め打ちは危険と思われる。

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