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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

基調的には上値追い

2023年10月17日 22時34分04秒 | 金市場

週明け10月16日のNY金は反落した。NYコメックスの通常取引は、前週末比7.20ドル安の1934.30ドルで終了。

週末を挟み結果的にイスラエル軍はガザへの地上侵攻に踏み切らなかった。

人道的観点からイスラエルによるガザ侵攻を牽制する声が国際的に高まり、国連や欧州を中心に外交面から慎重スタンスをイスラエルに訴えかける動きが続いた。もっとも、地上侵攻はしていないだけで、(上空から確認できない)地下トンネルを破壊すべく猛烈な空爆は続いているとみられるが。

米国からはブリンケン国務長官がイスラエルを再訪しネタニヤフ首相と会談。会談が長時間にわたったことから、ガザ侵攻やイランを含む近隣諸国との対応を話し合ったとみられる。16日には、バイデン米大統領が週内にイスラエル訪問を検討していると報じられたが、後に18日と伝えられた。イスラエルに対する支援表明とともに、紛争の地域的拡大を防ぐ意向とされる。

こうした日程を考えると、イスラエル軍の早急な動きは抑えられると見られることから、16日は市場の過度な警戒は後退することになった。 米国債は売りが先行する流れとなり利回りは上昇。前週末の4.6%台前半から上昇し4.712%で終了した。このところ米連邦準備理事会(FRB)高官による政策金利の据え置きに前向きな発言が続いていることは、債券相場の下値を支えている(利回り上昇を抑えている)。

この日もシカゴ連銀のグールズビー総裁が、米国のインフレが沈静化する方向にあるのは「否定できない」と語ったと伝えられた。

 

この日のNY金については米長期金利の上昇が売り要因というよりもむしろ、前週末の急伸に対する反動的な売りが出たことが反落につながったとみられる。なおバイデン大統領のイスラエル訪問だが、ヨルダンも訪問して同国のアブドラ国王やエジプトのシシ大統領、パレスチナ自治政府のアッバス議長とも会談する予定とされている。これを1日でこなすらしいが、人道的な働きかけをしたという事実つくりか。

日本時間の本日午前に伝えられたが、市場では紛争拡大を抑える動きと捉えられ、17日アジア時間の金市場は売り優勢の流れとなり1920ドル台半ばまで売られることになった。ただし、この売りも一巡するとプラス圏に復帰したのは、バイデン大統領のイスラエル訪問は一種の賭けであって、諸刃の刃で地上戦突入にお墨付きを与えたと解釈され逆効果との見方がある。

NY金は事態の推移を見守りながら、上値追いの機会がありそうだ。

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