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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金を押し上げる「決められない政治」

2019年01月17日 23時42分39秒 | 金市場
さて、最大野党労働党が内閣不信任案を提出、日本時間の本日早朝に投票が行われ僅差で否決となった。昨夜触れたが、これも想定内の話。したがって英国議会を巡る一連の動きは、現時点で金融市場に目立った影響は見られていない。メイ首相は1月21日までの離脱条件の修正案を再提出することになり、さっそく野党党首などに協議を呼び掛けていると伝えられている。

考えられるのは、短時間に英国内で納得性のある修正案の作成は難しく、EUサイドも合意案見直しに否定的であることから、最終的には3月29日(午後11時)に切っている離脱期限の延長ということになるということ。ただし、EU側が延長を認めるにしても英国を除く27ヵ国の全会一致の承認が必要となり、こちらも予断をゆるさない。それでも双方ともに混乱が予想される「合意無き離脱」を避けたい意向から、延長の可能性は高いと思われる。すでに英国内の政治問題と化しており、最大の障害がいまや意見をまとめきれない「決められない政治」ということに。

ひとつの問題点は、EU側が5年に一度の欧州議会の選挙を5月に控えていること。こちらはこちらで欧州各国で反EU色の強い右派政党の台頭から欧州議会自体の勢力図が大きく変化するリスクを抱えているわけだ。

具体的には、2大勢力の中道右派の欧州人民党と中道左派の欧州社会党でかろうじて過半数を占めているのだが、右派政党「欧州保守改革」が勢いを増しているとされる。関連する話としては、トランプ大統領の元側近で一昨年解任された過激な保守の論客で知られたスティーブン・バノン元大統領首席戦略官が、ベルギーを拠点に5月の選挙に向けて右派勢力の統合に注力しているというもの。欧州議会の勢力図の変化は英国の離脱問題に対するEU側のスタンスの変化にもつながる可能性がありそうだ。

総じて言えば、決断の先送りは事態の改善にはつながらず、時間の経過の中で不安定化している国際政治の影響を受け程度の差はあれ波乱は避けられないだろう。つまり、潜在的な金市場の強気材料との位置付けとなる。

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