週明けドル建て金価格は続伸。NYコメックスは引値ベースでも1600ドルクリア。今月7月5日以来10連騰となるが、今回の息の長い上昇トレンドが始まって10年になるが、今朝調べたら10連騰は初めてのこと。7連騰、8連騰は比較的出やすいが9、10連騰はなかった。海外メディアが伝えるところでは、31年ぶりというから例の1980年の狂乱相場の際に記録したということ。先日書いたようにファンドが主導する相場、ということはただ今ファンドが手刀を持って道なき道を切り開いているところ。まぁ、イメージはそんなところだが、先々週末といえば8日金曜日だが、イタリアで大手銀行が一時ストップ安で取引中断(いわゆるサーキット・ブレイク)するなど大荒れになり、翌週に改めてイタリアとスペイン国債が売られ、EUのお偉方が慌て始めたタイミングで、国債から金への資金シフトが目立っているので、単にファンドだけの相場ではないのも事実。
ファンドは5月そして6月末にかけての調整局面で、買い建て玉の大半を手仕舞いしており、買い余力が生まれていた。それがこの2週間ほどで戦線復帰となった結果が10連騰というわけだ。CFTC(米商品取引委員会)が毎週末発表する建て玉動向も前週比で約130トン程増えていた。ETFの方は「SPDRゴールド・シェア」がここにきて約40トン増えたが、英バークレーズ・キャピタルの調べでは、その他の金ETFを含めた残は2156トンとなり過去最高を更新していた。この辺りは、昨年5月のギリシャ、ユーロ危機直後の動きに似ている・・・というより同じことが起きているのだろう。ただし規模は小さい。いずれにしてもここは警戒モードが順当なところ。
週末を挟んでETFへの資金流入は、週末に発表された欧州のストレステストの結果に対する疑義の表れという捉え方もできよう。また、昨日はイタリア債、スペイン債ともに売られイタリアも6%台に乗って来た。いわゆる危機ラインは7%超だが、投機的攻撃が売りの根拠とした材料を自ら現実化する勢いとなっている。
今週21日には、ギリシャへの追加支援を中心議題にEU(欧州連合)臨時首脳会合が開かれることになったが、よもや「救済はします。しかし具体策は後日、発表します」といういつものパターンではあるまい。もう市場に待つ忍耐はなかろう。ならば、そこまでの間のスピード調整ということになる。
今週は、同じ日にバーナンキ議長の上院での証言も予定されている。連邦債務の上限を巡る膠着状態に危機感を表明ということか。この問題、米国財務省は8月2日を一応の期限としているが、8月4日には900億ドルの財務省短期証券(TB)が償還を迎える予定とのこと。2週間くらいアッという間に過ぎてしまう。いずれにしても7月21日が今週の焦点。今夜は米7月の住宅着工件数の発表が予定されている。
一度深呼吸・・頭を冷やしあまり欲張らず10分の一投資法で安全運転がよろしいようですね・・。