亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金現物の買い引き合いは活発    

2021年04月22日 21時59分40秒 | 金市場
コロナの誤算は国家財政さらに金融政策の誤算につながるもの。欧州では主要国のドイツとフランスが経済活動の制限に入っているが、新興国の中でもインドは1日当たりの新規感染者数が27万人と伝えられ、ブラジルでの感染拡大も深刻化している。米国国務省はは20日、英国、カナダ、フランス、ドイツ、メキシコなど100カ国近くを渡航禁止するなど、正常化への道のりは遠い。経済活動の再開も限定的なものとなり、回復を抑制する。一方で、米国内のワクチン接種は進んでいる。米疾病対策センター(CDC)によると、米国のワクチン接種回数は2億回を超えたとされる。バイデン大統領は21日、企業に対し従業員がワクチン接種できるよう有給休暇を積極的に付与するように促すなど、一段の普及を目指す姿勢を示した。

1750ドルは、現在短期の移動平均線(50日移動平均線)が位置している水準でもあるが、NY金は、それを大きく超え1800ドルに接近ということで、突破するとクテニカル分析上もさらに強気見通しが生まれるやすい水準となっている。この日注目の米国財務省による20年債入札は、応札倍率(2.42倍)や債券ディーラーや大手ファンドを含む直接入札者の落札比率も高く、好調裏に終了した。したがって、米長期金利に目立った動きはなかった。あと一押しが欲しい値位置だが、売りをこなし1800ドルの手前の水準を維持すれば上出来といったところか。

金市場では、このところアジア実需の復活が注目されてきた。ただ、3月1カ月で160トンと記録的な輸入が伝えられたインドだが、4月に入り伝えられているように新型コロナ感染が爆発的に増加し、首都デリーに続いて西部マハラシュトラ州の商都ムンバイでは先行した外出制限をさらに強化しロックダウンが検討されている。インドは春の婚礼期にあたることから、影響が懸念される。インドルピーの対ドルレートも月初から3%以上下落しており、そのまま国内金価格の押し上げ要因となっており、この点も需要見通しにはマイナス要因となる。

一方、中国での現物需要の強さはロンドン国際価格に対し、中国国内価格は1オンスあたり10ドルのプレミアムが上乗せとなっていることに表れている。ここにきて中国人民銀行が金輸入に積極姿勢を示しており、中銀自体が金準備を増やさなくとも、国内に金現物を取り込もうとのスタンスがうかがえる。さらにヨーロッパでも地金や金貨の需要の高まりが伝えられており、このあたりは、スイスの精錬所の高水準の操業にあらわれているということか。こうした現物の引き合いの強さが伝えられる中で、金ETFの解約が下火になりつつあるように見えるが、どうなるか。来週には、1-3月期の需要データが公表される予定。






YouTube NY金と米長期金利 昨日より公開中

https://www.youtube.com/watch?v=srnb3Zab2ZU
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