goo blog サービス終了のお知らせ 

亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

UAE中銀、ドルの比率を50%に引下げ!?

2006年10月31日 14時26分42秒 | 金市場
金に関する話。以前、UAE(アラブ首長国連邦)の中央銀行が外貨準備の10%をユーロに、同じく10%を金にする意向を持っているとここで書いたことがあったが、Bloombergの伝えるところによるとユーロ分につき検討が始まったというニュース。約250億ドルの外貨準備のうち足元でも98%がドルでの保有となっており、まずその比率を8%下げユーロにするとのこと。最終的にはドルの比率を最大50%まで下げるとBloombergはドバイ発で伝えている。発言の主は以前と同じスワイディUAE中央銀行総裁。このニュースは為替市場では材料視されなかったが、それはそうだろう。まずはドルから移行する絶対額の問題がある。なんせ3000億ドルからを短期間で為替介入に使う国があるくらいだからね(いうまでもないが我らが日本国財務省)。それに(これは個人的な捉え方だが)いまだに検討する段階なの!?ということ。ニュースの見出しは「外貨準備に占めるドルの割合を最低半分に削減も!!」と勇ましいのだが、その実態は、まずは8%を減らすことを検討し、そのうち時間を掛けて様子をみながら状況によっては50%まで下がることがあるかも、ということ。掛ける時間は数年単位とみられる。

材料としては“ジワジワ”と他の要素と合わさって効果を発揮する類のものということ。中長期の材料ということです。ただし、これは為替市場というマネー・マーケットの目線での材料分析だが、これが金の話になると俄然存在感を増すものとなる。UAEが準備資産として保有する金は今はゼロと見られるので、その10%を使って買い付けることをいよいよ「検討」などと表明したなら金価格は30~40ドル跳ね上がることだろう。なぜなら重量換算にして100トン以上になるからだ。これは大きい。そして2~3日で取りあえずは元の価格水準に戻るだろう。市場は急速に材料を織り込むものである。その後、この材料を「他の湾岸中銀にも動きがありそうだ」「ロシアはすでに進行中らしい」「中国はどうなんだ!口ばかりだろう?」とかなんとか反芻しながら価格に反映されていくという展開となる。

昨夜のNYから足元の金価格は、結局今はまだ「原油との“頚木(くびき)”を断てない金市場」というところ。ただしモメンタムは上方。神無月も本日で終了。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« はじめチョロチョロ | トップ | 枯れた相場に火が放たれた »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事