亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

欧米中央銀行のハト派スタンスが押し上げた金

2021年11月05日 20時08分55秒 | 金市場

本日は午前9時33分ころから52分くらいまでラジオNIKKEIの市況番組「マーケット・プレス」(前場)に電話生出演。キャスターの岸田さんの問いかけに応える形で、今回のFOMCから話が始まって、前夜のBOE(Bank of England、イングランド中銀)の利上げ見送りサプライズなどから金市場の話に展開する流れに。ラジオNIKKEI「マーケット・プレス」のサイトで1週間限定で聞いてもらえます。

FOMC翌日のNY金は、当日の声明文発表とパウエル議長の記者会見のハト派的内容を受けて反発に転じていたが、そのまま4日のアジア時間に引き継がれることになった。

4日のアジア時間は前日比10数ドル高の1770ドル台後半を横ばいで推移。ロンドン時間のお昼、NYの朝方にBOEが政策金利の据え置きを発表すると騰勢を強め、NYのお昼前には前週末以来となる1800ドルを越える水準まで買われた。売りが控える水準ゆえに、それ以上の上値は抑えられたものの、終盤に向け切り上げた水準を維持し終了となった。

結局、前日にADP全米雇用報告を受けたロボットのアルゴリズム売りで失った25.50ドルを取り返す29.60ドル高の1798.50ドルで終了ということに。

現地3日のFOMC声明文発表まで金市場は、テーパリング(量的緩和の縮小)発表を踏まえ、米長期金利の上昇に身構えてきた。ところが前日のFOMC後の記者会見でパウエル議長は「(量的)緩和を縮小する時だが、雇用最大化の目標に達しておらず、利上げする時期ではない」と明言。利上げに慎重姿勢を示した。同時にインフレ高進は「一過性」のものとの見解を維持し、この点でも速いペースでの利上げは必要ない公算が大きいとの見方を示した。 さらに繰り返しになるがサプライズとなったのはBOEが政策金利を過去最低の0.1%に据え置いたことだった。BOEのベイリー総裁は先月、インフレリスクの高まりに対して「躊躇せず」利上げする意向を示しており、市場では今回の会合での利上げを織り込む動きが進んでいた。

発表後に英ポンドが売られ欧州の一部の国債利回りが大幅に低下。この動きはNY市場にも波及、朝方に1.609%まで上昇していた米10年債利回りは急速に低下し、1.509%と10月中旬以来の水準まで下げることになった。10ベーシスポイント(10bp、0.1%)の値動きはそれなりに大きなもの。終盤は売られ1.529%で終了となった。

伏線として、前日に欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が、来年利上げする可能性は非常に低いとしていたこともあり、パウエル発言に次いで英中銀の決定は主要中銀の金融政策の正常化が加速するとの見方を後退させ、金価格を浮上させることになった。

今回のFOMCのパウエル発言だが、10月25日の当ブログで前週22日金曜日に国際決済銀行(BIS)と南ア準備銀行(南アフリカの中央銀行)が主催したオンラインイベントでの同議長の講演内容が11月のFOMCの内容を示唆したものと思われると次のように書いた。「この講演内容は、ほぼ来週のFOMC後の記者会見の内容に重なるものと思われる。テーパリング決定に対する市場の反応を慎重すぎるほど、気を配ってのものだろう」。この推測は当たっていた。

さて本日は10月の米雇用統計の発表が控える。

市場予想では非農業部門雇用者数(NFP)は45万人増と、予想を大幅に下回った8、9月から伸びが拡大する見込みとなっている。失業率は9月4.8%から4.7%へ低下する見込みだ。さらに注目されるのは、平均時給の伸びとなる。賃金上昇が基調的なインフレを押し上げる可能性があり、動向が注目される。

結果により金も上下双方に振れることになる。

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