シリア問題だが、前回ここに「米国のプレゼンスの低下を示しているように思える」と書いたが、29日に英国政府が議会の説得工作に失敗して否決されシリアへの軍事介入を断念するにいたり、腰砕けのような展開になってきた。この場合、フランスは置いておいて、オバマ政権は拳を振りかざしたからには、相応の理由があるわけで、振り下ろさないわけにはいかない。したがってオバマ大統領はホワイトハウスで記者会見しシリアに対して限定的な軍事攻撃を命じることを決定したと表明した。一方で議会の承認を求めることを表明。一時は切迫感を持って伝えられた軍事介入は先送りされることになった。
折しも今週は5日(木)にロシアのサンクトペテルブルクでG20首脳会議が開かれる。その直前に言い出したところをみると、短期で叩いてG20で後処理という流れでも考えていたのか。(前回と同じことを書くが)解せない。議会に諮るとなると、現在は夏休み中ゆえに9日以降に結論は先送りに。送られる議会としても、ええ!?自分で決めないの???ということだろう。否決してしまえば、合衆国大統領の権威の失墜・・・・などと書くと共和党保守派のようだが。。
そもそも米国内でも介入に関しては賛否が分かれており、すんなり決議できるのか否かも不透明とされる。その野党共和党議員の発言が紹介されていたが、「オバマ大統領は最高司令官としての責任を放棄し、未来の大統領の権限を傷つけている」と議会に判断を求めたことを非難していた。それは、わかる。
しかし、夏休み明けの米国議会には「連邦債務上限引き上げ問題」が待ち構えているのだが、その前にシリア問題でひと悶着となりそうだ。債務引き上げも、共和党サイドが一方で歳出減らしを要求すると見られるので、事と次第ではこの秋は「決められない米国議会」に焦点が当たる政治的混乱の中で、FRBの政策縮小が重なる事態で金融市場の波乱も十分あるのではと思う。
それにしても決められないのは議会だけではなく、ホワイト・ハウスよ、お前もか!!!・・・ということになってきた。
そもそも、米国の政治的リスクは金の材料になるはずであった、もの。もっと早くに。。
今夜は複数の銀行のFX関係者との意見交換と称する飲み会。したがって早めに更新。