22年最後のNYコメックスの通常取引(清算値)は1826.20ドルで終了となった。終値としては直近の高値更新で6月24日以来6カ月ぶりの高値となる。1年を終えて年足は2.40ドル、0.13%安ということになった。日銀が年明け1月に物価見通しを引き上げるとの見方が流れ、ドル円が一時130.78円まで売られ131.12円で終了。ユーロドルも1.0702とこのところの高値で終了。それを映してドル指数(DXY)の引けは103.522と6月9日以来の安値で終了。NY金は買われやすい環境で一時1832.40ドルまで付けたものの、1826.20ドルと地味に終了ということに。その後の時間外取引は1830.10ドルで終了した。
いずれにしても、4本足(ローソク足)でいえば、22年NY金はほぼ十字線に近い形の陰線ということに。ちなみに始1830.10 高2078.80 L安1618.30 終1826.20 となった。
それにしても、22年は市場全般、荒れた年となった。
米株主要指数はいずれも国際金融危機(というよりリーマンショックの方がわかりやすいが)で知られる2008年以来の下げ率となった。ダウ30種が8.8%、S&P500種が19.4%、ナスダック総合が33.1%のそれぞれ下げということに。
FRBによる利上げ自体が、年始0.00~0.25%から4.25~4.50%へ1年間の利上げ幅としては1980年以来の大きさとなったので、たいした影響はないということはあり得ず、株だけでなく国債を中心に債券が売られたのも特徴だった。株がダメなら米国債の上昇でカバーとう伝統的なバランス型投資が意味をなさず、損失がヘッジファンドのみならず年金など各方面に広がった。それも超低金利環境下、年金など給付の利回り稼ぎにレバレッジを利かせていたものだから、複数の英国年金基金など存続が怪しくなるところまで追い込まれた。
米10年債利回りは21年末に1.51%だったが、12月30日は3.88%で終了。10月下旬には2007年来の高水準4.3%台まで上昇した。FRBの政策方向を反映しやすい2年債は、0.73%に過ぎなかったが4.424%で終了。2年債と10年債の長短逆転(逆イールド)が常態化しているが、12月7日には0.846%(84.6bp)まで拡大した。1981年以来の大きさとなる(セントルイス連銀)。
23年は、米国のインフレ動向が方向を決めることになる。ピークアウトしたとして、どのような低下の軌道を描くか。そのままFRBの政策方針を決めることになる。
後は地政学要因。ウクライナ戦争の行方と、ロシアの動向。コロナを巡る中国情勢も注目事項に浮上している。米国の政治情勢も地政学要因ということになりそうだ。
コロナも終息というより日常化という流れになりつつあるものの、やはり後遺症について不透明な部分があり、かからぬに越したことなし。
良い年をお迎えください。