亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

イスラム金融

2005年05月29日 23時31分44秒 | 金市場
(23:31)27日付の「ついて行きたくない」対して「ぶる」さんから本日夕刻次のようなコメントをもらっていました。一部をここに転記すると「精錬所の稼働率アップということは中東からドバイへ向けての金の流れが強いということですよね」というものです。「中東からドバイ」のところは「中東とりわけドバイ」という意味でしょう。

そうです、やはり中東からの引き合いを考えます。中東地域は取引所ができたり、久々の“オイル・マネー”の出現です。ドバイ沖にスーパーリゾートの建設が進んでいたり、油のある国はみな元気です。戒律で利息の受け取りを禁じられているイスラム金融の世界では以前から利息を生まない金(ゴールド)は馴染むのです。例えばイスラム銀行に預金すると預金者は利息の代わりに融資の結果を意味する「投資の果実」を得ることができるのです。うまくいかないと預金者も損失を被ります。つまりリスクを取ることになります。銀行は預金者とともに利益もリスクも共有するというわけ。そして酒やギャンブルなど戒律で禁じられているものを扱う企業への融資はもちろん禁じられている。ドル(米国)離れした資金の流入はここ数年見られてきましたが、今でも余資の一部は金に回されているということでしょう。ここ毎週、NYベースでファンドの重量換算にして数十トンの手仕舞い売りで現物価格にも下向き(下落)のベクトルが働きながらも、しぶとく踏みとどまっている裏側にはこうした需要があると思われます。米系メディアに住宅バブル関連の記事が増えているとしましたが、ヘッジ・ファンド関連の記事も増えています。こちらは米に限らず欧米。国内投資家の間にはヘッジファンドとは利益を生み出す魔法の仕組み(運用者)といった認識(思い込み)があるようですが、そううまい話はナイのです。
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