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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ECBも織り込み済み、後はFOMC

2018年12月15日 00時21分35秒 | 金市場
13日は欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を開き、政策金利の据え置きと量的緩和策の年内の終了を決めた。しかし、すでに織り込み済みのため、目立った反応は見られず。市場では主要中銀の中でECBと日銀の政策については当面、大きな変化はないと見られており、関心はFRBに集まっている。したがって来週12月18‐19日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、すでに市場の基調は模様眺めといったところ。

特に株式は別格として債券に比べても為替市場はまさに冬枯れ状態につき、もっぱらドルの動きを見ての取引が目立つ金市場もレンジ相場の継続ということに。

ECBは2兆6000億ユーロ(約330兆円)規模の量的緩和策の終了を決めたが、保有する債券の(償還金の)再投資(つまりそのまま債券買いに回す)については、来年以降、金利の引き上げに着手した以降も長く続ける方針を示した。現行の政策金利については、少なくとも来年の夏までは引き上げない方針としている。ただし、こうした方針もデータ次第ということになる。

会議終了後のドラギ総裁の記者会見は、ややハト派的なものと受け止められた。もともとECBのスタッフ予想でもインフレや成長率の見通しはやや下方修正されたが、総裁は「成長見通しを巡るリスクは、おおむね均衡していると引き続き判断することができる」とした。しかし一方で、「地政学的要因を巡る不透明性が払しょくされないこと、保護主義の脅威、新興国市場の脆弱性、金融市場の値動きの荒さを踏まえると、リスクのバランスは下向きに傾きつつある」とした。欧州の主要国での政治的不透明性や米中摩擦は、ECBの金融政策上も無視できなくなっている。

ところで、来週18‐19日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定されるのは織り込み済みだが、13日トランプ大統領は、来週の会合で利上げを行うのは「愚かだ(foolish)」と発言し。相変わらずFRBへの非難を予想通り利上げしても市場への目立った影響はないと思われるだけに、利上げが実行されることは、中央銀行の政治からの独立性を示す“お膳立て”ができたような印象の展開といえる。

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