週末のG20財務相・中央銀行総裁会議を経て、市場に多少の安心感が醸成されたのかというと一応の安定は保たれているものの、いまだ一触即発ということになろう。“ほころび”が見つかると・・・否、“ほころび”は目立つので・・・進行上浮上する問題など“致命傷に至るほころび”が表れると株などまた急落となりそうだ。今回のG20は11月のG20サミットの地ならしという側面が強いが、それでもユーロ圏に対して進めるべき優先課題をあぶり出した効用はあったと思う。
銀行への資本注入は、一方でギリシャ問題は今のように“追い貸し”ではなく秩序だったデフォルトすなわち債務の一部減免を認めることで解決可能であり、支出削減だけでは対処できないということを間接的に認めたことになる。そこで“王様はやはり裸だ”と宣言するための動きが取られることになる。銀行のいくつかは資本不足に陥るだろうし、その事実が市場の不安心理を掻き立てぬように手を尽くすことになる。そのためには財源不足では通用しないため、EFSFの機能回復や拡充策の決定を受け入れることになる。
結局、市場を落ち着かせるには巨額の資金枠を準備し、それを見せ金にして安心させる以外になさそうだ。拡充を決めたばかりのEFSFだが、まだまだ不足ということになる。