表題のタイトルは昨日6月21日の夕刻6時台に収録したYouTubeのタイトルと同じもの。6月15日に更新したポッドキャスト版の最後に少し語ったものを、今回はより具体的に取り上げることにしました。
インフレ抑制を至上命題として掲げ、足元では、できるだけ早く中立金利の水準への政策金利の引き上げを急ぐFRBだが、じつはこの大幅利上げはFRBにとって「もろ刃の剣」でFRB自体をも傷つけることになる。この点にスポットを当てることに。
すでに保有する債券ポートフォリオ(6月15日時点で8兆4879億ドル)に3月末時点で3300億ドル(約45兆円)の評価損を抱えるFRBだが、6月時点ではさらに膨らんでいることは間違いない。なぜなら米国債にしてもMBS(住宅ローン担保証券)にしてもここにきてさらに値下がり(利回り上昇)しているわけで、結構な規模の評価損が発生していると思われる。
しかし、中央銀行の決算は保有資産を時価ベースで評価し反映させないため、それ(評価損)は表面化しない。しかし、FRBは公表している。3月末の3300億ドルはFRBの公開データによる。
それよりもインフレが長引き、高い金利水準が長期化すれば、もっと大きな別の問題が発生する。
それがFRB決算が初めて赤字に転落する可能性だ。ふつうは簡単には起きないが、今回ばかりは6月FOMCの見通しに沿って事態が進展すれば、その可能性に関心が集まるだろう。そもそも2020年春から夏にかけて空前の規模でのドルのばら撒き(債券のバク買い)、さらにその後20年8月以降、今年の春まで続いた高水準の量的緩和策が極端な政策だったことによる。
後は、YouTubeでどうぞ。22分程度にまとめてあります。
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利上げ加速で傷むFRB(金上昇2ndステージ)