goo blog サービス終了のお知らせ 

亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

長期化する“時間稼ぎ”

2014年10月24日 23時36分08秒 | 金市場
西アフリカで医療活動に従事しNY市に帰った医師が、現地時間の23日の朝に発症し、検査を受けていたが陽性となったと報じられたのが本日日本時間の11時前。ついにNYでも・・・という感じだが、感染したのが専門知識を持つ医師だけに仮にこの先2次感染者が出た場合には、いよいよ金融経済上の材料になる可能性が出てくる。地下鉄に乗りボーリング場に行き、帰りはタクシーとまで報じられているので、空気感染はしないとのことだが、大都会では皆戦々恐々という感じになりそうだ。

23日の市場では金の下げ率が比較的大きかった。値動きという点では、このところ内外の株式市場の上下動が非常に荒くなっている。この夏まで続いていた株式や為替市場の凪(なぎ)状態は完全に終わり、価格変動の振幅が大きくなっている(ボラティリティの上昇)。米国の金融政策がこれまでの超緩和状態を徐々に終息させる動きに転じるいわば政策の過渡期にあることから、市場心理自体が振れやすくなっている。日々の経済指標の結果にも過敏と言える状況も珍しくない。ただし、日々の材料に一喜一憂するかの動きは、持続性に欠けるのも事実で、特に株式市場では昨日の大幅高が今日は一転して大幅安ということも珍しくない。不安定な状況は今後も続きそうだ。もちろんこれは株式市場に限られたものではなく、為替も金市場も程度の差はあれ同じといえる。

日本ではアベノミクスに関連して、異次元の金融緩和策が景気のサポート役として機能していると見られ、第3の矢が形になるまでの間の“時間稼ぎ”という側面が強いとされる。低金利は常態化し、日銀の吸い上げ効果から品薄になった国内債券市場では新発の短期国債(6ヵ月もの)の条件がわずかながらマイナス金利になったと。これは金融取引に際し一定の米国債の保有が必要であって、あえてマイナス金利でも落札する必要があったことによる。それにしても、超緩和策が“時間稼ぎ”というのは米国も同じと思われる。需要不足の中で思ったような成長率が叩きだせないとなると、一度はやめる資産買い取りの復活ではなく、まずは政府の財政出動を求める動きにつながる可能性もありそうだ。それは金融政策での景気サポートが難しくなっている(限界に達している)証しということでもあろう。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« FRBのバランスシート | トップ | 果たしてスイスは金を買い戻... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事