本日はある原稿を書くのにFRBの直近のバランスシートの状況などを調べたのだが、先週の水曜日15日時点で証券の保有額は4兆2085億ドル(約450億円)でうち国債が2兆4553億ドル(約263兆円)、住宅ローン担保証券(MBS)は1兆7134億ドル(約183兆円)に上る。9月のFOMCではこれらの膨れ上がった資産は維持する方針を決めて公表したが、中でもMBSは売却しないことが明言された。それもそのはずMBSは大半(99.7%)が残存10年超のもので、自然体で減らすにも長い年月が必要となっている。国債も全体の27%が残存10年超で、5年以上となると57%となる。
長期金利の押し下げを狙って、償還期限の長い債券を意図的に買い進んだ結果であるが、気が付けば、膨らみ過ぎた残高を減らすには売却は自殺行為に近く、自然体で減らすには時間が掛かり過ぎということになっている。もっとも、何をもってバランスシートの適正な規模とするかが難しいのだが。
9月のFOMC後の記者会見での質疑応答で、イエレン議長が適正規模になるには2020年くらいまでかかるかな?という受け答えは、もっと掛るんじゃないかなというのが率直なところ。いずれにしても“放置”することに決めたのだが、それは放置する以外になかったということだろう。