怯える市場

先週末金曜日のNYダウが171ドル安で弱含みとなったことで、当日大幅な続伸となっていた東京も週明けは売られることが予想されていたが、日経平均は541円、約4%の急落。東京のみならず香港－4.67％、上海－7.2％、一時3.5％下げていたインドは－1.8％、韓国－3.85％、台湾－3.28％と再び火の手は広がっている。開き始めたヨーロッパも弱含み。今週29、30日の2日にわたって開かれるFOMCにて政策金利（FFレート）0.5％引き下げ見通しが、ここに来て「（既に先週臨時に0.75％引き下げたのだから）据え置きもアリ」から「いやいや、こんなもんでは足りん、更に0.75％引き下げ」まで市場関係者の見通しは広がり、これまでなかった「据え置き」方向にも株式市場は反応して下げに転じているという話が伝わっている。

それもあろうが、緊急利下げや緊急経済対策という「緊急」そろいの米国の対応策を持ってしてもNYダウの上昇は限定的でナスダックなどはなお下落に示された米国景気の見通しの難しさが、株価の戻りを売らせているのだろう。それが時差で次々引き継がれている様子。南アでの電力供給カット問題に後押しされたという金市場だが、株安の中でも高値保合い。今回のFOMCもさることながら、その先の緩和策を前提にした動きだけに、目先は影響を受けにくくなっている。ただし30日の声明文の内容や週末2月1日の米雇用統計の結果によっては波乱という展開。

話は変わるが、この10日余りの新聞など改めて目を通していて、インドまで政府系ファンドを作ろうとしているという記事を目にしたが、「こうした流れが拡大すること」イコール「経常収支赤字国米国のファイナンス（資金流入）に影響を与える要素が進展」という図式になる。ポールソン財務長官が改めて「強いドルは国益」と叫んだり、「追加策などいいから早く提示した景気対策を承認しろ」と騒いでいるのは、市場全体がオドオドしているときだけに、何が起きてもという警戒心からだろう。金の高値保合いもむべなるかな。それにしても、あのインドが政府系ファンドとはねぇ・・・・・。