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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

役目を終えたCBGA(金売却と貸出制限協定)

2019年09月27日 23時40分37秒 | 金市場
中央銀行、中でも新興国中銀の金購入がこの10年高水準で続いてきたことは、日経などでも取り上げられ、知られるところとなった。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)のデータでは2010~2018年は年平均で485トンとなっている。2018年は651トンでニクソンショック(ドルと金の交換廃止)で知られる1971年以降で最大の買い付け量となった。2019年もポーランドなど新顔の登場もあって上半期で374トンと過去最大を更新する勢いとなっている。中央銀行は一般的な投資家ではなく、外貨準備内の通貨分散という観点からの買いで、値上がり目的での購入ではない。

とはいえ1990年代からリーマンショックに至る2000年代は欧州の中銀を中心に金売り、主要国国債買いという“利息を生むものに”という行動が活発化した。特に1990年代は中銀の売りが相場を壊した。需給面でもそうだが、特にセンチメントの面での影響は大きかった。90年代末のBOE(Bank of England、英中銀)の売りは、当時ロンドン金現物市場を管理監督していたBOEまでもが金を見放したと受け止められ、相場にはダメ押しとなった。1999年7月に金は253ドルと20年ぶりの安値をつける。結果的にBOEは200ドル台で持ち分の多くを手放し、のちに首相となった当時の蔵相ゴードン・ブラウンは英国会で非難されることになるのだが・・・。

金が安値を付けた1999年、ワシントンでのIMF年次総会に集まった9月、この機会をとらえドイツを中心に取りまとめたのが「中銀が保有する金の売却と貸出を制限する協定」だった。CBGA(Central Bank Gold Agreement)、合意した地名を取ってワシントン協定とも呼ばれる。5年ごとに更新されてきたが、2012年以降はこの売却枠を使うところもなく有名無実化していた。あれから20年経ち、CBGAも終了となる。

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