中央銀行、中でも新興国中銀の金購入がこの10年高水準で続いてきたことは、日経などでも取り上げられ、知られるところとなった。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)のデータでは2010~2018年は年平均で485トンとなっている。2018年は651トンでニクソンショック(ドルと金の交換廃止)で知られる1971年以降で最大の買い付け量となった。2019年もポーランドなど新顔の登場もあって上半期で374トンと過去最大を更新する勢いとなっている。中央銀行は一般的な投資家ではなく、外貨準備内の通貨分散という観点からの買いで、値上がり目的での購入ではない。
とはいえ1990年代からリーマンショックに至る2000年代は欧州の中銀を中心に金売り、主要国国債買いという“利息を生むものに”という行動が活発化した。特に1990年代は中銀の売りが相場を壊した。需給面でもそうだが、特にセンチメントの面での影響は大きかった。90年代末のBOE(Bank of England、英中銀)の売りは、当時ロンドン金現物市場を管理監督していたBOEまでもが金を見放したと受け止められ、相場にはダメ押しとなった。1999年7月に金は253ドルと20年ぶりの安値をつける。結果的にBOEは200ドル台で持ち分の多くを手放し、のちに首相となった当時の蔵相ゴードン・ブラウンは英国会で非難されることになるのだが・・・。
金が安値を付けた1999年、ワシントンでのIMF年次総会に集まった9月、この機会をとらえドイツを中心に取りまとめたのが「中銀が保有する金の売却と貸出を制限する協定」だった。CBGA(Central Bank Gold Agreement)、合意した地名を取ってワシントン協定とも呼ばれる。5年ごとに更新されてきたが、2012年以降はこの売却枠を使うところもなく有名無実化していた。あれから20年経ち、CBGAも終了となる。
とはいえ1990年代からリーマンショックに至る2000年代は欧州の中銀を中心に金売り、主要国国債買いという“利息を生むものに”という行動が活発化した。特に1990年代は中銀の売りが相場を壊した。需給面でもそうだが、特にセンチメントの面での影響は大きかった。90年代末のBOE(Bank of England、英中銀)の売りは、当時ロンドン金現物市場を管理監督していたBOEまでもが金を見放したと受け止められ、相場にはダメ押しとなった。1999年7月に金は253ドルと20年ぶりの安値をつける。結果的にBOEは200ドル台で持ち分の多くを手放し、のちに首相となった当時の蔵相ゴードン・ブラウンは英国会で非難されることになるのだが・・・。
金が安値を付けた1999年、ワシントンでのIMF年次総会に集まった9月、この機会をとらえドイツを中心に取りまとめたのが「中銀が保有する金の売却と貸出を制限する協定」だった。CBGA(Central Bank Gold Agreement)、合意した地名を取ってワシントン協定とも呼ばれる。5年ごとに更新されてきたが、2012年以降はこの売却枠を使うところもなく有名無実化していた。あれから20年経ち、CBGAも終了となる。