8日の3つのイベントについては、コミー前FBI長官の議会証言については、この場は静かに通過で延長戦入り。これで片付いたわけではない。8日はツィートも自粛したかたちのトランプ大統領だが、この件に関し何かツィートせずにはいられないだろう。
金の売りにつながったのが、大きな反応は見られないと思われたECB政策理事会後のドラギ発言だった。インフレ予想の下方修正は事前に流れていたとおりで、ドラギ総裁が慎重姿勢であることも予想の範囲内の話。したがって、“いったん、ここで益出し”というきっかけに、なったとみられる。昨夜のNYの下げは、先物市場でのファンドのロボット・トレードが作ったものと思われる。噂で買って、事実で売るつまり、“Sell the fact” ということに。
先物市場では益出し売りが出る一方で、現物市場では買いが入っていることを示したのが、8日のETFの増加。2ヵ月近く動きのなかったETFが、先週末の米雇用統計以降増加が目立っており、最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高は、雇用統計発表当日の6月2日3.55トン増、週明け5日±0、6日4.16トン増、7日9.77トン増、そして続落の中で8日も2.07トン増となってこの間に計19.55トン。約20トンの増加。しかし、これでもトランプ前には、ずいぶん開きがある。まだまだ、という感じだ。
英国の選挙結果に対する市場の反応は、本日だが、メイ首相は改選前の議席331議席が少なくとも20、うまくいけば50議席増やせると想定したうえで解散総選挙に踏み込んだだけにダメージは大きそうだ。あえて国民投票に打って出て、負けたキャメロンと同じ流れといえる。
不安定化しそうなBrexitの先行きは、フランスの大統領選で上半期の欧州政治危機も一巡という空気が、そうでもなくなった。この結果に、イタリアのレンツィ前首相は選挙をあきらめるか・・・・。