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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今後の展開から目が離せない「注目の米下院・証言3連発」

2019年02月28日 21時30分58秒 | 金市場
米朝首脳会談は報じられているように、それぞれの思惑通りにはならず両者「お疲れ様でした!」ということで幕引きされた。2月8日のここに、「Youは何しにベトナムに?」として書いたが、まずは会談ありきから始まっており準備不足ということか。そもそも国務省で仕事ができる人材が抜けてしまっているのだった。

2月27日のNY金は3営業日続落となった。ドル安に目立った反応を見せなかった金だが、この日は戻りに転じたドルの動きに応じて売りが膨らみ、一時約2週間ぶりに1320ドルを割れを見た。トランプ大統領が米中交渉はおおいに進展したとして、週初に中国製品に対する追加関税を見送ったのに対して、今回の交渉で米国側のトップを務めたライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が、米中合意にはまだ遠いとしたことから、楽観見通しは後退、ドルが買われることになった。買われたといっても、たいした値動きではない。

いずれにしても27日は、下院での証言3連発が関心を集め、ハノイよりこっちだった。

午前に下院歳入委員会にて米中通商協議の説明をしたライトハイザーUSTR代表は、「依然として、やらなければならないことは多々ある」とし、中国は過去の「公約を果たしていない」と非難。中国による米国製品の購入拡大だけでは「不十分」だとした。

今朝、英国BBCが伝えた公聴会の映像を見たが「はっきりさせておきたい、(中略)合意にはまだ遠い」としていた。25日のここで「強硬派で知られるライトハイザーUSTR代表が団長格のようだが、強面の交渉に大統領は不満を示しているとのこと。つまり、合意困難な部分は置いておいて、とにかく形にしろということではないか」と書いたが、やはりそうだった。

つまり、大いに進展したと評価する発言をしたトランプ大統領との認識の差は大きい。来年の大統領選を見据え目先の株価や景気に関心を向ける大統領と、中長期の視点での交渉を考える現場とのスタンスの違いが浮き彫りに。

NY時間の午後に入って、前日の上院につづきこの日は下院金融サービス委員会の公聴会に立ったパウエルFRB議長。一般的には前の日の上院と同じ内容で、坦々と終わるはずだった。ところが、最後にちょっとしたサプライズがあった。バランスシート縮小について言及したもので、上院での証言内容になかったもの。(リーマンショック後に膨らんだ)「バランスシートの正常化(縮小)終了までの計画の枠組みは策定されたと考えており、近く発表できると期待している」とした。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での公表を指していると思われる。

「縮小の年内停止」に向かって動いているとまで発言。しかも、バランスシートは、国内総生産(GDP)の約16~17%の相当する規模と具体的な水準にまで言及。しかし、27日の市場はたいした反応は見せず。3月のFOMCでの言及は、ここにきて急速に落ち込まれたシナリオのひとつではあるが、素っ気なさすぎではないか・・・と。

最後に真打登場。同じく下院で開かれた監視・政府改革委員会に登場したのがトランプ大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン。すでに内容は報じられているので割愛するが、こっちは全米生中継で当然衛星でも。ハノイの大統領は本日は寝不足だったと思われる。



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