書き出しが遅くなって間もなく22時。本日は日経朝刊の一面に「金、15年ぶり高値」の見出し。ついに一面に来たか、という感じ。記憶の範囲内で一面に金の記事が来たことはない。日経に限らないが新聞に出ると(メディアが取り上げると)、ひと相場終わりという見方が株式相場などではある。果たして今回の金市場はどうか?目先はそうかも知れぬ。なぜなら、基本ベースでNYコメックス(COMEX商品取引所)でのファンドのポジションの整理が進行しているという事情があるからだ。今日の日経に書いていた原油相場が一服しているから目先のマネーがメタルに来ているというのは、その通りだと思う。銅やアルミなど、いわゆるベースメタルの需要増を囃(はや)す形で買い上がり(今に始まったことではない、というより、いまだにその材料なのか??という感じ)、次に貴金属の範疇に入る白金系を排ガス触媒という産業用需要の増加を材料にして買い上がり、結果的に“金は出遅れ”という構図が浮かび上がり金が“真打登場”的な感覚で買われているというイメージ。
以前から指摘している「米国双子の赤字」という“突出した不均衡”などは、いまだ本格的な材料にはなっておらず、金市場の底辺では、しかも無視できない存在感のもとで燻っているという感じだけど本格的な材料にはなっていない。その前に「インフレ懸念」を材料にメタル全般を買い上げ結果的にうまく行き、インフレを材料にするからには金のことを無視はできまい、という感覚で買いを入れたというふうに見える。
折りしも金市場では10月中旬のNYコメックスで、ファンドのネットの買い越しが史上最高の551トンにも膨らんでいた。この時点で「ネット買い越し」とは、先行き利益確定の売りを出そうと虎視眈々と売りのチャンスを待っている向きが重量換算にして551トンも控えていることを意味する。だれがそんな大量に売りものが控えているところを、敢えて買い向かおうと思うのだろうか?通常は誰も思わない。誰も思わないものは下げるしかない。ということで下げ始めたのが、10月下旬から11月初めのことだった。結局その時の売りで買い越し残は382トンまで減少していた。
そうまさに内部の整理がついた矢先にベースメタルから白金系へと相場が流れ、金市場に矛先が向いたのだった。つまりファンドに買い余力が生まれたときに、金の出番が回ってきた。金の値動きの良さをみたファンドが更に買いを入れたのは当然だろう。しかし、その枠を使い切ったとき、その先を誰が買うのか?という問題に突き当たるのは必定。否、誰と言うより、果たしてこの後500ドルに向けて買い上げる説得性を持つ材料は何か?という問題である。おそらく後押しとなる合理的な材料の無い場合、逆に金価格は反落ということになるのではないだろうか。つまり今ある550トンを目処にした枠を買い切るまでは、今の堅調相場は続くのではないか。果たしてどうか?それでも深押しのないのは、先行きの強さの現れと思う。
以前から指摘している「米国双子の赤字」という“突出した不均衡”などは、いまだ本格的な材料にはなっておらず、金市場の底辺では、しかも無視できない存在感のもとで燻っているという感じだけど本格的な材料にはなっていない。その前に「インフレ懸念」を材料にメタル全般を買い上げ結果的にうまく行き、インフレを材料にするからには金のことを無視はできまい、という感覚で買いを入れたというふうに見える。
折りしも金市場では10月中旬のNYコメックスで、ファンドのネットの買い越しが史上最高の551トンにも膨らんでいた。この時点で「ネット買い越し」とは、先行き利益確定の売りを出そうと虎視眈々と売りのチャンスを待っている向きが重量換算にして551トンも控えていることを意味する。だれがそんな大量に売りものが控えているところを、敢えて買い向かおうと思うのだろうか?通常は誰も思わない。誰も思わないものは下げるしかない。ということで下げ始めたのが、10月下旬から11月初めのことだった。結局その時の売りで買い越し残は382トンまで減少していた。
そうまさに内部の整理がついた矢先にベースメタルから白金系へと相場が流れ、金市場に矛先が向いたのだった。つまりファンドに買い余力が生まれたときに、金の出番が回ってきた。金の値動きの良さをみたファンドが更に買いを入れたのは当然だろう。しかし、その枠を使い切ったとき、その先を誰が買うのか?という問題に突き当たるのは必定。否、誰と言うより、果たしてこの後500ドルに向けて買い上げる説得性を持つ材料は何か?という問題である。おそらく後押しとなる合理的な材料の無い場合、逆に金価格は反落ということになるのではないだろうか。つまり今ある550トンを目処にした枠を買い切るまでは、今の堅調相場は続くのではないか。果たしてどうか?それでも深押しのないのは、先行きの強さの現れと思う。