マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

マクロビオティックへのご批判

2010年12月30日 17時05分25秒 | 庵主の日記
今年は多くの有識者、医療関係者の方からマクロビオティックのご批判をいただきました。

内容の多くは
「マクロビオティックを実践している方は、ものの見方が偏りすぎて他者を受け入れない。これではマクロビオティックは危険である。」
と、いうようなものでした。

そうですね、マクロビオティックは習い始めると陰陽に囚われて、ご自身の中庸のポイントを見ずして、陽性化、陽性化とされていくと、ご批判を頂く結果となるでしょうね。

女性は男性よりもちょっと陰性で丁度いいのに、男性の陽性さよりも陽性になっていく方もいらっしゃいます。

レストランでおいしそうにステーキを食べている方を見て、眉間に皺を寄せるマクロビアンもいます。

そんな場合じゃないのに、頑なに医療(西洋医学)を拒み、食事でという方もいらっしゃいます。食事でと思うなら、悪くなる前に実践しておれば問題も大きくならないのですが・・・。

思いが強すぎて、周囲との親和性を失う方もいらっしゃいます。

そして、ステロタイプに判を押したような型どおりの方法を実践する方もいらっしゃいます。

そんな方々とは対照的に、ファッションや健康志向での知的欲求からの学びの方は、もうすでに時代はマクロビオティックからローフードに移行されていらっしゃいます。
興味はどんどん変化します。

マクロビオティックのこれからは、広がった(思うほど広がってはいないのでしょうが)マクロビオティック人口の整理になるのでしょうね。
マクロビオティックを実践される方が、もっと自由にいきいきと健康でいれば、ご批判をくださった皆さまからも、もう少し見直されてくるのかもしれません。

これらの方々は、一旦はマクロビオティックに興味を持たれ、浅くではあっても実践された方です。
残念なことに、料理を習われた程度なためのご判断と、病人のマクロビアンしかみていないことによる誤解なのかもしれません。
彼らには、ココロもカラダも不健康な状態の方が必死にマクロビオティックを実践されている姿を見て異様に思われたのでしょう。

私も、片眼的な時期がありました。
一番ココロがキュンとなる失敗は、熊本の菊池養生園でのこと。
こちらで働いていらしたとても素敵な栄養士さんに、熱くマクロビオティックを語り、多少の肉や卵(良質の飼料で育てた豚や牛、平飼いの有精卵)を使っていることでさえ批判してしまったことでした。今でも、胸が痛む失敗です。

また、玄米の炊き方にもいろいろあって、ご批判を頂くことがあります。

わたしとしては、玄米をしっかり浸水して<発芽モード>にすることが大切と考えています。ただ、実践のハードルが高くなるのであれば、暫くは洗ってすぐに炊いてもいいですよとはお伝えしております。毎日続けられることでの恩恵もたくさんありますからね。

塩加減は、一升に小さじ1を基本(当然各自調整すること)塩がどうしてもダメな方には昆布を入れてくださいとお伝えしております。
これは味付けではなく、ナトリウムとカリウムの比率の調整だということも忘れてはいけませんね。
私が学んだ正食協会のクッキングスクールでは一升に付き大さじ1と指導されてきましたが、私は、これは多すぎると思っておりますので、そのところは協会とは違っております。

岡田校長が絶対に大さじ1を入れてくださいと強調された時期がありますが、これも時代的に、クシマクロビオティックが広がり始めた頃のことで、協会との塩梅の指導の違いの格差がとても大きかったため、陰性過多になることを懸念してのことと理解いたしております。また、陰性過多で協会に駆け込んだ方も多くいらっしゃったことも事実のようですから。

最近ではそんなに入れることを指導していないようだとの友人からの情報もあり、なにごとも終息していくのが陰陽のおもしろさと思っております。

また、クシマクロビオティックでのピンチソルトやウオーターソテーもすべからく全員にそうしなければいけないということではなく、必要に応じてということを失念しないように取り入れていけばなんの問題も起きないのではないかと思います。

以前に、飯のコースの最終回にリマのレシピ、正食協会のレシピ、久司先生のレシピ、大森和慧先生のレシピできんぴら牛蒡とひじき蓮根を作り比べたことがありますが、
一番味が薄いと思っていた久司先生のレシピが一番鹹かったのでびっくりしたことがあります。このあたりも、クシマクロビオティックのレシピやクシ系の外国で活躍されている指導者のレシピとの差があることも確かのようですね。

いずれにしても、全てが正解ですし、全てが不正解になることがあることを知っておかなくてはいけないのですが、それが手落ちとなるとマクロビオティック批判を招くことになるのではないでしょうか?

もっとマクロビオティックを広げていきたいと思いますが、
広げ方は、陽過ぎず、陰過ぎず、中庸を持ち、トキとトコロとヒトに応じた食のあり方を伝えていければと思います。

一年を振り返っての雑感です。




















陰陽

2010年12月30日 15時44分27秒 | 庵主の日記
本日、年末最後の診療日ですが
最後の最後まで、たくさんの患者さんとお話をいたしました。

遠く関東から受診されている方が、
前回よりも歯周ポケットが悪化して動揺も増えて
心配した担当歯科衛生士から相談もあり、
お久しぶりのご挨拶とお顔を拝見しに診療室に行きました。

この方は結婚されて4年目。パートナーが鬱病で長期で仕事にいけない状態が何回も起こり、この4年間ずっとパートナーを支えて、なんとかよくならないかと頑張ってきました。

リマクッキングスクールでしっかり基本を習い、元来マジメなので「陽性にならなければ」と頑張りましたが、少し窮屈になりクシのアカデミーでアドバンスまで受けられました。カラダはちょっと楽になりながらもリマとの内容の捉え方の違いに、リマの基本の呪縛からクシの内容が受容できずに修了いたしました。

その後、今度は大森一慧先生の許で学ばれました。一慧先生をココロから尊敬しつつも、みるみるカラダは黒くなってきて、教室の終了後にみんなでカフェでケーキなどを食べて緩めていたそうです。

その後もさらに、パートナーを思い東城百合子先生の許で料理を習われて今途中下車中だとか。他にも松本光司先生やカノン小林先生などに習われました。

陰陽の間を行ったり来たりしながら、ぎゅ~っと締めてはダラリと緩め、挙句の果てに何をどうすればいいのかわからなくなってしまいました。

ココのところ、食事の準備ができなくなり外食が続いており、そんなこともあって口腔内の問題が発覚したもようです。

作ろうと思ってはじめると2時間くらい食事の準備にかかり、それだけで疲れてしまうそうです。
そして、出来上がったものは全部茶色く煮しめたものばかりになり、全く食べる気が起こらず、圧力鍋で炊いた玄米も匂いがもうダメ、かといって土鍋で炊く元気は起こらない、牛蒡は見るだけでしんどくなるとのことでした。

無何有庵での上級者のための基本食<ZERO Pt.>講座の第一回目に、ご参加の皆さんにそのうちのお一人のためのきんぴら牛蒡を作ってくださいとテーマをおわたしいたしました。

そうするとメンバーは何をし始めたかというと、その方の陰陽をはかるため、服装だとか色だとか体温だとか望診だとか色々駆使して、牛蒡や人参の先を使うのか根のほうを使うのかとか、牛蒡の量や調理方法や加熱の時間とか、調味をどうするかということを一生懸命考えはじめました。

そこで、わたしが申し上げたのは

「その方がおいしいって思っていただけるように作ろうって思いませんか?」

という投げかけでした。


一同、はっとしたように立ち止まりました。

先ほどの方もこの話をしていると、うんうん、そうそうって思ったそうです。
どうすればカラダにいいのかとか陰陽がはかれるのかとか・・・。
毎日、毎日、4年間そうやってきたのです。

疲れますよね?

この方ほど、いろいろな素晴らしい先生に学ばれた方も多くはいないと思いますが、
残念なことにそれらの教室のカラーは継承されましたが、本質的な調整能力を身につけることができなかったのです。
これは教える側の問題、学ぶ側の問題、双方にあると思います。

教える側の問題の一つは大勢の方を対象にいたしますから、目安となるレシピを用いますが、全ての方に合うものではないことを伝え切れていないこと。(伝えているけれども受け取る側の解釈の違いなどで結果的に伝わらなかったのかも)

学ぶ側は、盲目的に学び、自らの分析、検証、判断に欠けたため、陰陽の調和(調整)というマクロビオティックでは大切なファクターをごっそり抜け落としてしまっていること。などがあげられます。

この方は、陽性にならなければいけない、ならなければいけないと思いながら、どんどん陽性化される自分に耐えられなくなって、今度はどんどん陰性なものを食べてしまい、さらに、そんな自分に自己嫌悪し、パートナーを追っかけて鬱状態になりかけているのです。

興味深かったのは、この方が疲れたからもうや~めた!マクロなんてどうでもいいって思ったら、パートナーの抗鬱剤がゼロになったとのこと。

私はマクロビオティックを実践すればするほど、学べば学ぶほど、自由を感じます。
横柄な言い方をすれば「何でもあり」だということです。
誤解をしていただくと困りますが、「何でもあり」というのは、一個人に対してということではなく、万人に対して、万人分の調和方法があるということです。それを俯瞰でみると「何でもあり」ということです。
極論をすれば、急を争うならば肉もあるし砂糖もあるということです。

そんな宇宙的な枠組みの中で、自分の今に合うものが何なのかを見つめていかなくてはならないのでしょうね。

その方は、お昼ご飯に、前の晩のヒラメのアラが入った鍋のスープで作った雑炊と野菜たっぷりの豆味噌の味噌汁を飲んで、「緩みます~」って笑顔を見せておられました。
結構陽性だと思うのですが・・・(笑)。

ココロが緩んだり、笑顔がほころんだりするのは、
単純な陰陽ではない気がいたします。


そういえば、月刊「Macrobiotique」に尾形妃樺怜さんの<暮らしの中の陰陽さがし>のシリーズで「陰陽雑感」の記事が印象的でした。

陰陽を知る中で、学ぶ中で、通る道でもある体験を書かれておられました。

月刊「Macrobiotique」は松見歯科でも販売いたしております。
新年号ですので、新しいシリーズも満載です。
どうぞ、読んでみてください。






















まあ!

2010年12月30日 14時27分14秒 | 庵主の日記
気がつけば後一日半で新年なんですね。
今年の年の瀬はちょっとゆっくりぎみにスケジュール立てていたのですが
あれ?まだ、掃除何もできていないし~。
たまサポート隊のスタッフ牛ちゃんが殆ど片付けてくれて
なんとか年越し体制にはいっているものの、
肝心の私は、なかなかお掃除モードにスイッチが入らなくって・・・。

原因は夫婦喧嘩。

私は仕事の上でも主人のパートナーなのですが、
院内の経費について話をしているうちに、
だんだん話がそれていって、
財布の紐を締める私に不満放出。
家庭内にまで話がおよんで、
月5万円のお小遣いを巡って攻防戦を繰り広げておりまする。

主人の小遣いは年間にすると60万円とどうしても手放したくない船の渓流代22万円を合わせると82万円。月にすると68000円強のお小遣いに不満を持ち、飲み代など何かと立て替えたといって請求してくるんです。

家で飲むお酒代はビールだけで月に4万円強。日本酒も入れると5万円の高額バッカス係数なのです。
ちなみに我が家の食費はお米をいれても3万円くらいとエンゲル係数は超低いのですが、はるかにそれを超えているわけです。

「俺だけが飲んでいるんではない」というのが言い分ですが、いや、ほとんどあなただけですから~
私、日本酒党ですもん

衣食住はたま会計から支出されますので、まるまるこずかいじゃん!
というのが私の言い分。飲みにいった費用くらい払ってよと思うわけです。

挙句の果てに「君が経営者だから」とわけのわからんことをのたまう始末。

えんえん、22日から続く夫婦喧嘩です。



これは奥が深そうな・・・。


確かに年々外に出る機会が多くなってきた私は、家のことを家族に任せながらきたかも。自立していると思っていても案外そうではなかったらしい・・・。
バカバカしいのですが「外で何をしているのか」とやや疑いの目。

会計の収支のやりくりは主人の思っているほど簡単ではないのだけれど、やったことのない人はそう思わないらしく、「お金がない」とピシャリと紐を締めるわたしの容赦なき態度に不満と「なんでないんや?」「どこに使いよんや」「俺は5万でたまは使い放題」となんとも浅はかな結論を出してきます。
やれやれ、この忙しい暮れに何を言い出すのやら・・・。

そんなやこんなやで、掃除意欲モチベーションダウン。
もうええわと対抗心メラメラなわけです。

しかし、私自称あげまん女房としては
こんなことでひるんではいけません。

来年からは、とにかく褒め、主人が有能であることを熱く語り
どうせ出さねばならぬお金は渋ることなく、
主人がいなければ松見歯科は成り立たないことを言い続けようと思います。

あ、これは来年の抱負ですね。