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今日は、ヨンデン(四国電力)プラザ・サンポート高松・トライアルスタジオにて、マクロビオティック・エコクッキングを開催いたしました。今日のテーマは<もったいないをフレンチ風に>ということで、野菜の皮や芯、残りご飯などを使ってのお料理です。
マクロビオティックはもともと皮も芯も全部(一物全体)使うので、本来は皮だけとか芯だけとかいった料理は案外少ないかも知れませんが、一般家庭では結構捨てられてしまうものなので、ここを捨てないでねって言うことで、あえて・・・。皮の抗酸化力や芯の部分の生長点の話も交えて、牛蒡の皮や茎、南瓜の皮、人参やキャベツの皮や外葉、芯を使ってお洒落なフレンチに仕立てていきます。
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<冷たいご飯のフリッター>
残り物ご飯を残りものに見せない工夫の一つとして、圧力鍋で炊いた玄米ご飯に①みじん切りにした人参の蒸し煮②コーン③青海苔をそれぞれ混ぜて、山芋と地粉で作った衣をからめて油で揚げたフリッターを作りました。
付け合せには、蒸し煮キャベツとベビーリーフ、ソースはトマト味噌。
玄米初めての方が多い中、先入観を覆す美味しさだと皆さん玄米ご飯に興味津々でした。蒸し煮キャベツも、火を通すことで生よりも食べやすく甘味があって量も食べられると好評でした。
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<野菜の皮を使ったテリーヌ>
テリーヌは、コンソメをゼラチンで固めたり、生クリームなどを使ってムース状にしたりしますが、マクロビテリーヌはやっぱり一味違います。いろいろな方法がありますが、今日は稗粉を使って穀類の力で固めたマクロならではのテリーヌです。
テリーヌ型がキッチンスタジオになかったので、それぞれ個別のガラスのカップを使うことに。稗粉は、本当にお役立ちな素材で、稗粉を水に溶かして火にかけるとだんだん粘りがでてきて冷やすと固まる性質があるので、ババロアやムース、今回のテリーヌなどに使えます。おかずだけど穀類っていうのは良いでしょ♪
野菜はコーンとグリンピース、人参の皮と牛蒡の皮の蒸し煮を使いました。
マクロでは牛蒡だって皮ごと、さらさず灰汁を取らず、っていうのは当たり前なんだけど、初めての方は本当にびっくり。土臭ささが甘い香りに変わって灰汁がうまみになるなんて・・。
味付けは塩。出汁もなしで月桂樹の葉っぱを入れておいた水で稗粉を溶き作りました。今日は、スプーンで頂くテリーヌです。使い終わった月桂樹の葉っぱを飾りにしました。
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<屑野菜と残りご飯のポタージュ>
ポタージュも小麦粉、バター、牛乳などを使いますが、無何有庵のポタージュはこの頃玄米ご飯を使います。以前は、バターの変わりに植物性オイルを使って、牛乳の変わりは豆乳って具合に素材を置き換えて作っていましたが、アトピーの方や陰性過多の方などには油、小麦粉、豆乳などはきついですよね。いろいろ作ったし、いろいろアレンジで作れるけれど、ようやく見つけたのが玄米ご飯。灯台下暗しです。ごはんごはんといってきたのに、ご飯に目が行っていなかった。というより、ご飯の威力をまだまだわかっていなかったんですね。本当に美味しいポタージュ♪。料理ってすごい!面白い!どんどん進化していきます。どんなマクロ料理本にも載っていないポタージュです。
作り方は至って簡単!ミキサーで、玄米ご飯と蒸し煮野菜と水をクリーミーになるまで攪拌して、塩・コショウで味を調える。月桂樹の葉っぱを入れるともう洋風。好みで豆乳を入れるとまた格別な美味しさになるんです。やってみて!鍋で暖めるとより粘りが出てきますから好みのとろみに伸ばして、トッピングには玄米フレークを使いました。いり玄米やグラノーラ、ポテトチップスを砕いたものでも良いですね。
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<かぼちゃの皮のタルト>
タルト生地は、全粒粉小麦の薄力と強力を100gづつに50ccの白胡麻油と塩少々いれ、カードで砂粒ぐらいになるまできるように混ぜて、水を入れ耳たぶの硬さの生地にする。あまりこねないようにするのがコツ。パートブリゼという練りこみパイ生地。タルトやクラッカー、工夫でクッキーにもなる汎用性のある生地。30分冷蔵庫で寝かせてグルテンの力を弱めサクサク感を出します。
生地を麺棒で伸ばしてタルト型に敷き、ピケをした上にかぼちゃのペースト、ナッツ類ドライフルーツ類をちらし玄米甘酒をかけ、かぼちゃの皮をちらしてオーブンで焼きます。
砂糖を使わなくっても本当に甘く美味しいデザートが出来上がりです。(今回、かぼちゃのフィリングがポタージュに入れすぎて少なかったのでちょっと私としてはごめんなさいのタルトだったので反省
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盛り付けはこんなカンジで自由にしてもらいました。
盛り付けは、料理人の心です。食べる方が「あぁ、こんなに手をかけてくれたんだ」と思って食べていただけるように最後のメッセージ。もちろん大皿に熱々をどーんと出して食べてもらうのも美味しさの一つですが、それも最善の盛り付けの選択ではないでしょうか。
このところ数年、マクロの料理本に飽きてきた私は、本当のプロの料理人の「仕事」に近づきたいと思っているのですが、盛り付けはその入り口かもしれません。見て真似をする。まだ、私なんかにもできるステージです。
皆さん、美味しかったですか?次回は、もったいないを中華風にアレンジします。また、よろしくお願いいたします。