昨日の記事に補足です。
>食のアプローチは
>本当は、指導される方が3年くらいしっかりとストイックに
>食養をなさった方がいいのかもしれませんね。
ストイックに3年間・・・。
どうも皆さんのストイックの捉え方がとってもマイナスイメージなので
ちょっとイメージチェンジしなくっちゃ!文責感じます。
きっとね、皆さんマクロビオティックを意識しすぎているんだと思います。
なので、私のマクロビオティックストイック論をちょっとお話いたしますね。
マクロビオティックの指導に係わっているためか、
結構「私はゆるゆるマクロなんですぅ~」って仰られる方がいっぱいです(笑)。
なんだか、とっても可愛らしいって思います。
私的には全然OK!
断然OK!です。
だって、何かしら食に関心をもち、できるところをマクロビオティック的にしているわけですから、素敵な変化じゃないでしょうか。
ただ、マクロビオティックの指導をされる方においては
「私はゆるゆるマクロなんですぅ~」ではちょっとね
指導される側から見るとやっぱり存在感というか信頼感というか
説得力が求められていますから。
で、「ストイックに最低3年ぐらい・・・」となるわけです。
でこの<ストイック>感が皆さんが持っていらっしゃるイメージと私のイメージがちょっと違うのかもしれません。
無何有庵の料理教室では、
基礎クラス<飯のコース>、
応用クラス<羹のコース>、
おもてなしクラス<霽華のコース>と分けていますが、どのクラスも厳格なマクロビオティックです。
普段の食べ方、特別な日の食べ方、使い分けをしながら、「霽の日」と「卦の日」をちゃんと調整します。
霽華のコースのメニューを毎日いただきましょうなんては絶対に言いませんし、なぜ言わないかもご説明いたします。
未精製の穀類を主軸に、少しの野菜と豆類と海藻類を使い、調味料は古式製法にこだわり、ノンケミカル、シュガーフリー、アニマルフリーはどのクラスでも変わりがありません。
間違っても、霽の日だから黒糖なら使ってもいいですよなどとはいいません。
スイーツに甜菜糖を使ったり、メープルシロップ(使っても年に1回程度)も使いません。最近一つ緩めたのがケーキを作るときのアルミフリーのベーキングパウダーかな(笑)
米飴も、玄米甘酒もスイーツに使うくらいで、お料理には殆どといって使うことがないです。玄米甘酒をソースに使うくらいかな。
飯のコースに至っては、基本食のみ。
ストイックでしょ?
それでも皆さんがおいしいとおっしゃられて笑顔をほころばせてくださいます。
これまでのわたしのテーマは、「硬派なマクロビオティックをスタイリッシュに」でした。
盛り付けや、彩りや、メニューの開発など、
それはそれは楽しい作業です。
何ものからも束縛されることはなく、
何も不自由に感じることがないのです。
それどころか、楽しい♪
楽しいことを毎日できることほどシアワセなことはないですよね。
「え~、だって家族がぁ・・・」って声が聞こえてきそうですね(笑)
そのことは、また後でお話いたしますね。
最近、お正月のおせち料理についてお問合せがありました。
松見家は、動物性のものはどうされるんですか?とのご質問でした。
そのお返事にはこう書いてお送りいたしました。
『食のとり方は霽(はれ)の日と卦(け)の日を使い分けられるといいです。
神様にあげる食事を想像してください。
普段は、水、洗い米、塩、ローソク(灯明)、榊です。
米を、水と塩を用いて、ローソクの火で炊き、榊という野菜をいただくのです。
そして、お祭りごとには、その上に海の幸、山の幸、お神酒が加わります。
ですから、お正月の様に、一年の始まりの祝い事には
ありがたく動物性のものを頂くといいのです。』
お正月にお祝いして、神様のお下がりを頂いて
そのご馳走三昧だったカラダを七草粥でリセットする。
日本人はちゃんと調整する方法を持っています。
マクロビオティックは日本語ではないので
その食事法は、なんだか日本のものでないような錯覚に陥りますが
れっきとした日本の食事学。
久司道夫先生がアメリカに渡られたときに
桜澤先生から教えられたとおりの食養を実践すると
ぜんぜん病気の方の改善が見られなくて
そこから久司先生は、毎日毎日、道行く人を何万人と見つめて、その顔や動作や背格好を観察して、アメリカに通用するマクロビオティックを構築されたと聞きます。
(だから、久司マクロビオティックは日本人に合わないと揶揄する方もいらっしゃいますが、全ては、マクロビオティックの理解の浅さからくる誤解です)
日本人のための食事法ということの意味することは
日本人が日本人のアイディンティティを守ってきた時代までの食事のあり方の実践という、ごくごくシンプルなものなのではないでしょうか?
讃岐のお寿司がどうしてこんなに甘いのでしょうか。
讃岐三白といわれ「塩」「綿」「砂糖」がとれたこの土地の人々は
いつもふんだんに「砂糖」を食べたわけではありません。
それはそれは高級品でしたから。
ですから、祭ごとのときだけは「砂糖」を贅沢に使ったのです。
人がたくさん集まるところに宴が始まり、散らし寿司で祝う。
砂糖を惜しげなく使ったお寿司は、それはそれは甘くて美味しかったのでしょう。
讃岐の寿司は甘い!びっくりするぐらいに。
でも、毎日食べるものではなかったのです。
マクロビオティックをストイックにするって
こういうことなんです。
お祭りごとは毎日ありません。
一月に1回あるかないか。
ですから、主食の代用品でパンは月に1回程度。
幕内秀夫先生は21食に1回、つまり一週間に一回が限度と申します。
そんなスタンスです。
おいしいパン屋さんを巡り歩くよりも
美味しい玄米ごはんを炊くことこそストイックというものです。
パンダやコアラは、決してストイックではありません。
神様に与えられた自分にぴったりの食べ物をなんの疑いもなく、素直に、受け入れて、あたりまえに食べるのです。
与えられ物さえ食べていれば、病気になどならないのです。
こんなにシアワセなことはありません。
ストイックに3年間。
それはそれは、おいしい人間のための食事をするということなのです。
霽れの日は、人間だけが与えられた神様からのプレゼント。
どうして、毎日プレゼントを欲しがりますか?
3年後には、思いもよらない素敵なプレゼントが待っているというのにね。
マクロビオティックは、人間が人間らしく人間を全うする素晴らしい哲学なのです。それを実践する時、はじめて宇宙の一員として共生することができるのではないでしょうか。
家族の問題は、料理の腕をあげることです。
美味しいお料理は、マクロビオティックであれ、なんであれ、
美味しいものは美味しいのです。
美味しいものを拒む者はいないと思います。
どうぞ、「ゆるゆる」から「脱力」にシフトしてみませんか?