成人の日

2008-01-16 17:12:11 | Weblog
 読売新聞に、最近の若者が大人に反抗しないのはなぜか、という記事が載っていた。

 ある文化人類学の先生の説(大略)。今の父親は、自己表現の一環として子育てをする。子供に対して理想の父親を演じ、理不尽な接し方をしないので、そもそも子供は反発することがない。その結果、子供は感受性豊かに、いわば「少女的に」育つが、企業の方はまだまだ「男社会」なので、しばしば就職してから挫折することになる。悪いのは企業で、企業の方が変わらなければならない。

 ・・・・・だが、このような父親の態度と、企業が「男社会」であることは、実は表裏一体の関係にあるのではないか。なにしろ「男社会」を形成しているのは、父親自身なのだから。会社生活で満たされない部分を、家庭で充足させようとしているのではないだろうか。もしも企業が「男社会」であることをやめたら、今度は父親たちは企業が失った厳しさを家庭に求めるようになるのではないか。

 仮定の話はさておき。今の企業に順応させるために、子供は厳しく育てるべき、と考えている人も少なくないだろう。だが、小さい頃から罵声を浴び続けた子供は、「罵声を浴びないこと」を人生の目的にしてしまう。就職しても子供の頃と同じ生活が続くだけだと知ったら、おそらく彼は、企業に入らずに生きる道を選ぶだろう。親の願望とは正反対に。
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