「エチカ」を読む。ベネディクトゥス・デ・スピノザ著。岩波文庫。
無味乾燥な証明(?)の数々には、うんざりさせられる。その一方でスピノザは、いくつかの前提(定義、公理)からすべての論理をスタートさせているのだが、それらについては一切説明しない。なぜそういう前提になるのか、遡って語るということがまったくない。
「神とは、絶対に無限なる実有、言いかえればおのおのが永遠・無限の本質を表現する無限に多くの属性から成っている実体、と解する」(第一部、定義六)。この文章を書いたのは(出発点を創造したのは)、だれか。この本に出てくる「神」という単語は、すべて「スピノザ」に改められるべきではないだろうか。
彼はまた、人間の情欲についても触れているが、なんともあっさりしていて、「これでもエッチか」、と思ったにゃ。