5.TPP、規制「改革」、農業・農政「改革」、根っこは一つ「今だけ、金だけ、自分だけ」=「3だけ主義」
イコール・フッティング(対等な競争条件)の名目の下に「一部の企業利益の拡大にじゃまなルールや仕組みは徹底的に壊す、または都合のいいように変える」ことを目的として、人々の命、健康、暮らし、環境よりも、ごく一部の企業の経営陣の利益を追求するのがTPP、規制「改革」、農政・農協「改悪」の本質である。規制緩和し、「対等な競争条件」を実現すれば、みんなにチャンスが増えるとして、国民の命や健康、豊かな国民生活を守るために頑張っている人々や、助け合い支え合うルールや組織を「既得権益を守っている」「岩盤規制だ」と攻撃して、それを壊して自らの利益のために市場を奪おうとしている「今だけ、金だけ、自分だけ」の人々の誘導の側面を見落としてはならない。
基本的に制度というのは一部の人々に利益が集中しすぎないように公平・公正を保つために作られているから自分だけが儲けたい人にはじゃまなのである。そして一部に利益が集中しないように相互扶助で中小業者や生活者の利益・権利を守るのが協同組合だから、「今だけ、金だけ、自分だけ」には最もじゃまな障害物である。
少数の者に利益が集中し始めると、その力を利用して、政治、官僚、マスコミ、研究者を操り、さらなる利益集中に都合の良い制度改変を推進していく「レントシーキング」が起こり、市場が歪められて過度の富の集中が生じる。この行為こそが「1%」(富の集中する人々に対するスティグリッツ教授の象徴的な呼称)による「自由貿易」や「規制緩和」の主張の核心部分である。それが滴り落ちてみんなが潤うといった「トリクルダウン」は起こるわけがない。さらなる富の集中のために「99%」から収奪しようとしている張本人が「トリクルダウン」を主張するのは自己矛盾で、意図的なウソ以外の何物でもない。TPPは国際条約を利用して米国企業の儲けやすい仕組みを世界に広げるという壮大なレントシーキングである。
人々の命、健康、暮らしを犠牲にしても、環境を痛めつけても、短期的な儲けを優先する、ごく一握りの企業の経営陣と、政治資金等で結びついた一部の政治家、「天下り」で結びついた一部の官僚、スポンサー料で結びついた一部のマスコミ(官邸がスポンサーの某局も)、研究資金で結びついた一部の研究者が、国民の大多数を欺いて、TPPやそれと表裏一体の規制「改悪」、農業・農協「改悪」を推進している。バターが足りなくなるような酪農家の窮状や2014年秋の米価暴落を放置する姿勢を見ると、「地方創生」とか「農業所得倍増」と白々しく言いつつ、日米の大企業に儲けさせるために、既存の農家を潰し、相互扶助組織を潰し、地域を本気で潰しにかかっているのが実感される。
「そんなことをしたら米国が喜ばないじゃないか」と怒った人が事務次官になるように、米国を喜ばせることが私益・省益・国益となった省もある。天下り先である大企業の経営陣の利益を確保することが私益・省益・国益になっている省もある。官邸をコントロールしているのは、それらの人々だ。なかには、米国の大学で洗脳されて、本当に「すべてなくせばうまくいく」と信じ込んでいる人もいる(自己否定だとは気付かない)。一方、食と農を守るのを国益としてきた省は官邸から排除されつつある。その結果、「食や農を犠牲にして米国と大企業の経営陣を喜ばせる」のが日本の針路になってしまった。さらに、各省庁の幹部人事を官邸が決めるようになり、N省も、G省やK省のように、米国と企業を喜ばせなくては出世できなくなってしまうと、誰も暴走を止められなくなってしまう。
TPP合意を急ぐ必要から、現政権の得意とする巧妙・卑劣な「合わせ技」の手口が使われた。「医師会はTPP反対をトーンダウンしたから混合診療の解禁はあの程度で収めた。農業組織はまだ抵抗しているから解体だ。されたくないなら反対をやめろ」との指摘が、それを物語っている。悪いのは「中央会」だとして分断して結集力を削ごうとする作戦も巧妙だ。ここで、JAなどの農業関係組織が目先の組織防衛に走れば、墓穴を掘る。農業が崩壊して、地域が崩壊して、組織だけが生き残れるわけがない。「組織が組織のために働いたら組織は潰れる。拠って立つ人々のために働いてこそ組織も存続できる」ことを忘れてはならない。
イコール・フッティング(対等な競争条件)の名目の下に「一部の企業利益の拡大にじゃまなルールや仕組みは徹底的に壊す、または都合のいいように変える」ことを目的として、人々の命、健康、暮らし、環境よりも、ごく一部の企業の経営陣の利益を追求するのがTPP、規制「改革」、農政・農協「改悪」の本質である。規制緩和し、「対等な競争条件」を実現すれば、みんなにチャンスが増えるとして、国民の命や健康、豊かな国民生活を守るために頑張っている人々や、助け合い支え合うルールや組織を「既得権益を守っている」「岩盤規制だ」と攻撃して、それを壊して自らの利益のために市場を奪おうとしている「今だけ、金だけ、自分だけ」の人々の誘導の側面を見落としてはならない。
基本的に制度というのは一部の人々に利益が集中しすぎないように公平・公正を保つために作られているから自分だけが儲けたい人にはじゃまなのである。そして一部に利益が集中しないように相互扶助で中小業者や生活者の利益・権利を守るのが協同組合だから、「今だけ、金だけ、自分だけ」には最もじゃまな障害物である。
少数の者に利益が集中し始めると、その力を利用して、政治、官僚、マスコミ、研究者を操り、さらなる利益集中に都合の良い制度改変を推進していく「レントシーキング」が起こり、市場が歪められて過度の富の集中が生じる。この行為こそが「1%」(富の集中する人々に対するスティグリッツ教授の象徴的な呼称)による「自由貿易」や「規制緩和」の主張の核心部分である。それが滴り落ちてみんなが潤うといった「トリクルダウン」は起こるわけがない。さらなる富の集中のために「99%」から収奪しようとしている張本人が「トリクルダウン」を主張するのは自己矛盾で、意図的なウソ以外の何物でもない。TPPは国際条約を利用して米国企業の儲けやすい仕組みを世界に広げるという壮大なレントシーキングである。
人々の命、健康、暮らしを犠牲にしても、環境を痛めつけても、短期的な儲けを優先する、ごく一握りの企業の経営陣と、政治資金等で結びついた一部の政治家、「天下り」で結びついた一部の官僚、スポンサー料で結びついた一部のマスコミ(官邸がスポンサーの某局も)、研究資金で結びついた一部の研究者が、国民の大多数を欺いて、TPPやそれと表裏一体の規制「改悪」、農業・農協「改悪」を推進している。バターが足りなくなるような酪農家の窮状や2014年秋の米価暴落を放置する姿勢を見ると、「地方創生」とか「農業所得倍増」と白々しく言いつつ、日米の大企業に儲けさせるために、既存の農家を潰し、相互扶助組織を潰し、地域を本気で潰しにかかっているのが実感される。
「そんなことをしたら米国が喜ばないじゃないか」と怒った人が事務次官になるように、米国を喜ばせることが私益・省益・国益となった省もある。天下り先である大企業の経営陣の利益を確保することが私益・省益・国益になっている省もある。官邸をコントロールしているのは、それらの人々だ。なかには、米国の大学で洗脳されて、本当に「すべてなくせばうまくいく」と信じ込んでいる人もいる(自己否定だとは気付かない)。一方、食と農を守るのを国益としてきた省は官邸から排除されつつある。その結果、「食や農を犠牲にして米国と大企業の経営陣を喜ばせる」のが日本の針路になってしまった。さらに、各省庁の幹部人事を官邸が決めるようになり、N省も、G省やK省のように、米国と企業を喜ばせなくては出世できなくなってしまうと、誰も暴走を止められなくなってしまう。
TPP合意を急ぐ必要から、現政権の得意とする巧妙・卑劣な「合わせ技」の手口が使われた。「医師会はTPP反対をトーンダウンしたから混合診療の解禁はあの程度で収めた。農業組織はまだ抵抗しているから解体だ。されたくないなら反対をやめろ」との指摘が、それを物語っている。悪いのは「中央会」だとして分断して結集力を削ごうとする作戦も巧妙だ。ここで、JAなどの農業関係組織が目先の組織防衛に走れば、墓穴を掘る。農業が崩壊して、地域が崩壊して、組織だけが生き残れるわけがない。「組織が組織のために働いたら組織は潰れる。拠って立つ人々のために働いてこそ組織も存続できる」ことを忘れてはならない。