弟27回信大シンポジウム「子どもの文化・教育はどうなる?道徳の教科化等の動きと戦前の状況を比較して」松本孟さんです。この絵は奈良美智さんの絵。女の子がプラカードを持ち、ナイフを持つ絵がある。社会の中で最も弱い立場にある女の子だから、見る人は「なぜプラカードを持ち、なぜナイフを持つのか」と考える。
ちひろは大正7年生まれ。世界中で自由民権運動が広がった時代。父親と戦争が終わった時の受け止めが違った。ちひろは西洋の文化に触れていた。11月にアメリカの音楽隊の演奏を聞いて日本が間違っていたと気がつく。父親は三年かかっている。子ども時代の触れた文化の差。
道徳の教科書検定変更点例、パン屋から和菓子屋に変更した。おじさんをおじいさんに変更した。アスレチックをこととしゃみせんに変更。問題は、検定がされ始め、どこの教科書も似たようなものになった。「祖父母を敬愛」と言っても子どもたちの環境は異なる中でどう考えるのか?
道徳教科化で、教師は点数をつけねばならない。道徳評価は内心の自由を奪う危険性がある。道徳の教科書にスポーツ選手が多い。2020年の東京オリンピックで日の丸を目差すことで国威高揚をはかる狙いがあるのではないか。
1890年教育勅語、1910年日露戦争後に国民思想読本、1932年上海事件と爆弾三勇士。1933年第4期国定教科書で戦意発揚が図られる。文化人が発言をしなくなっていった。自己規制があった。1941年第5期国定教科書でさらに強まる。
1938年「児童読物改善に関する指示要綱」が出される。文化が国家に管理され始める。漫画もアニメも戦争ものになる。戦後、教育勅語を残そうという運動があった。それが今日まで続いている。
1980年自民党などから国語教科書偏向攻撃、1997年日本会議結成、2006年教育基本法改正、2013年道徳の正規教科化議論が始まり、中教審は2014年答申を出す。
フォーラム子どもたちの未来のためには、「どうしたら自己規制をしないようにできるのか」を考えている。自己規制を余儀なくされる時代が必ず来る。その時に反撃することが出来るのか。
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