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安保法制の撤回を求める信州大学人の会第2回シンポジウム

2015-09-01 21:40:31 | 新安保撤回を求める信州大学シンポジウム
 
安保法制にかかわる2回目のシンポジウム。テーマは「新安保法制と日本の危機」。日中関係史、戦後日本政治と憲法、経済史的な観点からなど、安保法制に至る歴史的な考察か行われました。


久保亨先生「やはり安保法制はいらない:日中関係からの考察」(歴史学 信州大学人文学部)
・世界の趨勢は武力ではなく対話、安保法制はそれに逆行している。
・日中関係も基本は対話、必ずしも容易ではないとはいえ 日中戦争をはじめとする歴史が存在、それに端を発する相互不信も生まれやすい。日中双方が抱える社会問題も影響を及ぼす。安保法制は中国国内を刺激し両国関係に深刻な悪影響

 

 


1000人委員会まつもとの呼びかけ人でもある、信濃むつみ学園の竹内忍さんが、現在生徒とともに中国にいる。Facebookで8月30日の国会での集会の様子を紹介してくれたので、ここにアップしておきます。関心の高さがうかがえます。


久保木匡介先生「戦後日本政治と憲法「改正」問題」(政治学 長野大学環境ツーリズム学部)
なぜ、今多くの国民が立ち上がったのか?
→戦争法案への危機感と平和意識の高揚、立憲主義破壊への危機感
→国民の中に蓄積されてきた平和意識と運動、60年安保以降の戦後民主主義の時代経験、90年代以降の「憲法改正」に反対する運動の蓄積、イラク反戦・9条の会・脱原発・秘密保護法反対
→法案審議過程での政府与党と与論とのギャップ拡大

国会と世論のギャップを生み出したものは何か?
→憲法9条の解釈改憲の積み重ね、国際貢献、非戦闘地域、後方支援・・・
→小選挙区制による民意を反映しない選挙制度
→自民党の右傾化と民主党の脆弱さ
→選挙における憲法、安全保障の非争点化と世論誘導

このギャップを埋めるためには
→9月をたたかいきる
→来年の参院選に向けた準備
→国民と政治家の関係の改革。争点を決めるのは誰か
→選挙制度改革は不可欠


青木周平先生「ファシズムと戦争への反省から生まれた福祉国家」(経済学 信州大学経済学部)
‣第2次大戦後に誕生した福祉国家制度は、ファシズムと戦争への反省に立って作られている。
‣過去と同じようなことにならないために、過去の教訓から学んでいく必要がある。
‣安保法制に関しても、経済の問題も含めた大きな流れを見て理解していく必要がある。(9条と平和だけではシラケてしまう)
‣社会や経済に関するとらえ方は人によって多様。主張議論の根拠を積み重ねていくことが必要。


長野県選出国会議員アンケートについて 成沢孝人さん(信州大学法曹法務研究科)
①安全保障関連法案は、憲法9条に適合していると思いますか?
A適合している(務台俊介、後藤茂之)
B違反している(篠原孝、羽田雄一郎、北沢俊美、井出ようせい)

②「適合している」理由は?
(務台俊介)最近の状況で解釈変更を行う必要が生じた。安全保障環境の激変の中で、憲法解釈をより合理的に行う必要が生じてきた。
(後藤茂之)手段的自衛権は持っているが、行使できないとしてきた内閣法制局の見解を変えることにはなるが、憲法解釈の枠組、法的安定性からみて許される憲法解釈の変更である。

③安全保障関連法は国あり方の根本を変更することになりませんか?
Aならない(後藤茂之)
Bなる(篠原孝、羽田雄一郎、北沢俊美、井出ようせい)
(務台俊介)制度を作ることと実際の運用とは異なる。運用を安全性を十分踏まえ謙抑的に行うことで大きく現状と異なる局面が発生することはないと考える。

④「なる」と答えた方は、国のあり方の根本を変更するには、正式な憲法改正の手続きが必要ではないですか?
A憲法改正の手続きが必要だ。(篠原孝、羽田雄一郎、北沢俊美、井出ようせい)

⑤安全保障関連法を今国会で制定することについて
D合憲性に疑いがあるので、同法は制定されるべきではない。(篠原孝、羽田雄一郎、北沢俊美)
(井出ようせい)政府案は違憲の疑いがあるうえ、尖閣諸島など、現実的なリスクへの対応にもなっていないので反対であり、制定されるべきではない。しかし、安全保障の議論をすること自体は必要と考えている。
(務台俊介)合憲であり、必要性も高いが、国民の理解を十分に得る手続きはしっかりと踏まえることが求められる。その上で今国会での制定が望まれる。(なお、信州大学でのこの問題について公開講座を行うときは反対派のみならず、我々のようなポジティブな者も呼んでほしい)
(後藤茂之)国民の理解が進むことが国会議決の前に必要であり、引き続き努力する。
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