リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

2002年春,手紙 (8)

2005年01月02日 03時53分23秒 | 随想
 演奏が終わり、スミス氏のところへ話しに行った。彼は演奏を終えた2台の楽器を丁寧にケースにしまっているところだった。彼が私のことを覚えていてくれるか少し不安だったが、話しかけると手紙のことそして23年前のことをとてもよく覚えてくれていて何かほっとした。手紙に書いたように、その次の年の9月から勉強に行く意志を彼に伝えると、彼はこれからの勉強ことについて私を励ましてくれた。いかに「決断」をしたとはいえ、そのときはまだいくばくかの不安が心の隅に残っていたが、その彼のことばに大いに勇気付けられた。