リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

日本語的英語発音

2021年03月08日 19時53分12秒 | 日々のこと
日本語化した英語のことばは数多いですが、その語がどのような日本語(外来語)になるのかに関して強い規則性は見られず、言うなれば「おおらか」なのはとても興味深いです。
例えば tree はツリー、country はカントリーになりますが、英語の同じ発音が「ツリー」になったり「トリー」になったりで必ずしも一定の方式があるわけではありません。ゴルフだと「カンツリー倶楽部」「カントリー倶楽部」は共存しているようです。

英語の発音からするとカタカナの「ツリー」の方が原音にずっと近いです。「トリー」だと鳥居ですからね。でも正確な方が必ずしも主流にならないのは世の常。悪貨は良貨を駆逐する!?PTAは「ピーチーエイ」の方が英語発音に近いですが、そう言うと大抵は古い人だと見られます。

こんな例も:

お笑いコンビのイグジットのライブにアコースティック・ギターを持参、会場で弾こうとしたら警備員の人からワーニングを受けて会場から追出命令でイグジットへ。彼らのライブはベストフンドシストアワードを受賞しただけに楽しみにしていたのだが。


イグジット→exit、「e」の部分は「イ」より「エ」が近いでしょう。
アコースティック→acoustic、ワーニング→warning、アワード→awardの3つはローマ字読みしたんでしょう。入試ならアウトです。もっとも最近ではこのテの出題はあまりないようですが。

外来語はれっきとした日本語の単語ですので、わざわざ英語的に言う必要は全くありません。また私たちは英語(あるいは他の外国語)の発音に精通していないのが普通ですから、日本語化するときに一定の規則性を持たせる必要もありません。仮に英語のネイティブが、「ソラ耳アワード」はおかしいから「ソラ耳アウォード」にすべきだと言ってきてもそんなの関係ない!

日本語のことは日本語ネイティブが決めます。外国からの圧力やこちらの忖度で決めるものではありません。英単語の日本語化において、上述のようなテキトー性、時代による変遷が見られるのは、英語との微妙な距離感が伺われてなかなか興味深いです。