リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

みんなのリュート通奏低音(8)

2022年03月08日 12時18分54秒 | 音楽系
読譜や楽器での和音演奏の総合運用力につながると思いますが、つぎの練習をするのはとても有用だと考えています。

1)タブを見て曲を楽器で弾く練習する。
2)その曲を暗譜して楽器で弾く。

ここまでは普通ですね。

3)その曲をタブを見て頭の中で音を再現する。(楽器は使いません)

ポイントは音を再現しつつリュートの左手の押さえているところ(どの指でどの弦を押さえているか)と右手(どの指を使っているか)のイメージも再現することです。

ここで音というのは楽譜に書かれている音全てです。全てを正確に。メロディだけではなくバスやその他の音もです。その音と、イメージの中の弦、押さえている指、はじいている指を一致させます。←ここが一番重要!


4)その曲をタブを見ないで頭の中で音を再現する。(もちろん楽器は使わず)(3)のイメージつきです。

5)その曲を楽器を使わないでタブで書いてみる。左手のイメージをタブにしていくという感じです。

元のタブと同じものが書けていれば合格です。余裕があれば5)のところで五線譜にも書いてみるのもいいでしょう。{ポイント6}で五線譜の読譜力がついていればそう難しくないはずです。

慣れてくると楽器は全く使わずに暗譜して、練習して、最後に楽器で演奏するという技も可能です。これは相当高度な内容なのでここまで出来なくてもいいですが。

この練習は頭のなかにバーチャル・リュートを作る練習です。リュートのどの弦のどのフレットを押さえて弦をはじけばどんな音がでるのかを単音単位、さらには複音単位で頭の中で再現するということです。年齢や個人差もありますが、この方法で絶対音感が身につくこともあります。

{ポイント7}
長い曲や複雑な曲でこの練習をするのはとても難しいので、やさしい曲で4小節、8小節といった短い単位にしてこの練習ができるようになれば充分です。