リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

プレリュード・フーガ・アレグロのヘ長調編曲(5)

2022年03月21日 12時05分37秒 | 音楽系
編曲の一部をお見せしましょう。この編曲はVer3 です。



フーガの冒頭です。アレンジを仕上げるには実際に弾きながら最適ポジションを探しながら改良を加えていきます。変更した部分は赤色で書き直していきます。こうしてスムーズに弾けるようにかつ音色的にも問題ないものに仕上げて、それをVer4 にする予定。

バスの下に下線がついている音については、オクターブ弦のみを演奏します。4小節目とか7小節目ははずすことはまずないですが、11小節目の2拍目のコントラCは、ジャンプしてオクターブ弦だけ弾くのでなかなか難しいのでどうしようか迷っています。

9小節目2拍目のバスBは赤のタイで示されているように4拍目のAにつながるように伸ばします。ここはギタリストの編曲ではほとんど無視されて1拍しか伸ばさないですが、3拍目に和音が2度になり4拍目で6度で解決するという流れなので、絶対に音を切ってはいけません。

この部分は開放弦の音色とハイポジションの音色のギャップが出るので、開放弦を使わない方がいいのかも知れません。

リュートにとって6~4コースの弦を7ポジションで出すというのは普通使わない方法す。それはこのあたりのポジションだと音が丸くなりすぎるのでできればもう少し低い位置で弾きたいところですが、今度はそれだと左手が難しくなります。でも7ポジションの6~4コースは弦幅が開いているので外すリスクも大きくなる・・・なかなか難しいところです。