リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

新しいテレビ

2022年06月20日 20時14分05秒 | 日々のこと
2011年の7月以来使っていたLG電子製のテレビの音声が突然鳴らなくなり、画面が何分かおきにブリンクするようになりました。11年も使っているのでよく持つものだと思っていましたが、やはり壊れるときには壊れます。このLG電子製のテレビは今までのブラウン管式のテレビも含めて一番長く使ったと思います。

ブラウン管式のテレビは何年か使っていると色調が落ちてきていかにも古くなってきたという感じがしましたが、この液晶テレビは色合いはほとんど変化なく11年を経過していました。液晶パネルはタフだったのですがその他の部分がだめになって来たわけです。

テレビにそんなにお金をつぎ込むつもりはないので安いのでいいということでいろいろ調べましたが、価格ドットコムで探すと東芝のレグザでいいのがありました。今のテレビが32型なのでレグザも32型で行こうと、ポチる寸前まで行きましたが、少し冷静になっていろいろ調べていきましたら、もっといいのが見つかりました。

最初見ていた東芝レグザはネットワークテレビではありませんでしたが、ハイセンスの40型ネットワークテレビが37800円でありました。これは安いです。実は東芝のテレビ部門は中国のハイセンスに身売りしていますので、実はハイセンスの方が親元です。ハイセンスのHPは「2018年3月に東芝映像ソリューションを傘下に入れ、日本でのテレビ商品開発に取り入れました。」とありました。いろいろもめている東芝ですがすでにレグザは日本の東芝ではなく中国のハイセンスのブランドです。

ということでアマゾンでハイセンスの40型ネットワークテレビを購入しました。



ポチった翌日の午後に早くも到着。LGのテレビは近所の家電量販店で購入、その前のブラウン管テレビは名古屋の大須まで出かけて重たい商品を車に乗せて来ました。メーカーの勢力図も購入の仕方も大きく変わってしまいました。

設置には電源、アンテナ、HDMIそれぞれのケーブルを差し替えれば済むはずですが、テレビを置いてあるエリアは11年間分の埃がたまり、もうすでに使わなくなったスカパーのチューナーやら古いアップルテレビ、HDDなんかが埃にまみれていてそれらを整理して雑巾がけするのにえらい時間がかかり大変でした。おまけに今日はとても蒸し暑かったし。

件のハイセンスのテレビの画面は少し眠たい感じもしますが、お値段がお値段だけにこれで十分です。私はオーディオにはある程度はこだわりますが、映像にはほとんどこだわりがありません。Wi-Fiにもつなげるし、リモコンでYou Tube やAmazon Prime Videoなどのボタンがついているので一発で接続できます。早速Wi-Fiでウチのネットワークにつなげてみましたがなかなか便利なものです。

なぜニ短調調弦が残ったのか(7)

2022年06月19日 16時22分22秒 | 音楽系
この悩ましい4度決めがバロック・リュートだと1回だけです。慣れてくればそう時間のかかるものではありません。ここさえ少し時間をかけて慎重に行えばあとはスイスイです。バロック時代にはチューナーはありませんでしたので、昔の人はこのようにして音をよく聴いて綺麗に楽器を調弦したのでしょう。このようにバロック・リュートは調弦のシステムがシンプルだったので弦が多い割には綺麗にすばやく調弦できる楽器だったのです。

現代ではチューナーと言う便利なものがあるので、全面的にこれに頼るのがとりあえずある程度の水準の調弦ができるという意味では実用解でしょう。でもほんとに綺麗に調律するのはチューナーを使ってはできません。

こんなことは調律師ではないのでできないとおっしゃる方もいるかも知れません。でもピアノには調律師がいますがリュートの調律師はいません。調律師はあなたです。一度はここで申し上げた方法を試してみましょう。

なぜニ短調調弦が残ったのか(6)

2022年06月18日 20時49分59秒 | 音楽系
ポイントは平均律の4度より「わずかにきたなく」(気持ち幅広)して(5度は気持ち幅狭)その分を長3度に回す(より低めの長3度=多少なりとも綺麗な長3度)ということです。さきほど覚えた平均律のピッチより少しテンポアップした4度にします。平均律が1秒少しなので、1秒より少し短めです。

これで4度が2セントと少し幅広になったはずです。計測したわけではありませんが、2.1セントとか2.2セントくらいでしょうか。チューナーの針では計測できないレベルです。
次にこの分のフレットの補正をします。7フレットは少し低め(ナットより)5フレットを少し高め(ブリッジより)4フレットは少し低め、3フレットはそのまま、2フレットは少し低め、1フレットは曲によっては低めにします。

この低め、高めのフレット移動はほんの少しだけです。フレットの位置決め用に小さいドットがあけられている楽器が多いと思いますが、それがかすかに見えるようになる程度の移動です。よくバロック時代のフレッティングをしているのだと称して、見るからにフレット幅が平均律と異なる楽器で演奏している人がいますが、そういうフレッティングだと綺麗なハーモニーを矛盾なく出すことは出来ません。私は知識だけはあるがきちんと調弦できまる人ではありませんと言っているのと同じです。そういうのは音楽とは関係のない一種のファッションでしょう。

ここで行ったフレット位置補正は見た目では、よく見ないと平均律とは異なるとは分からないレベルです。なお、製作家さんが平均律でドットをつけていない場合もありますのでその場合は要注意です。

なぜニ短調調弦が残ったのか(5)

2022年06月17日 13時34分21秒 | 音楽系
用意するもの。ほとんど振動不良がなく音程も正確な弦を張ったバロック・リュート。これは当たり前ですけどとても重要なことです。

3コースの弦の内1本をチューナーで正確に合わせます。このときメーターで合わせるのではなく、チューナーから音を出しそれに合わせます。メーターで合わせるのは実体(現物同士)で合わせないので完璧には合いません。もっともヘタにチューナーなしで合わせるよりははるかに正確ではありますが・・・

次に2コースも同様にチューナーで合わせます。(チューナーは平均律で)そして2コースと3コースを同じバランスで弾いてみます。これが実はなかなか大変でしょう。なんどもやって2つの音が同じ音量で出るようにします。

そしてこれらの2つの音から生じるうなりを聴きます。この平均律チューナーに合わせられた2コースと3コースの音は純正より2セント幅広なので音にうなりが生じます。純正の場合はうなりはありません。

このうなりの周期を覚えます。大体1秒より少し長いくらいの周期のはずです。ペグを回してこの周期が無限大になったときは幅が2セント減って純正になったときです。

この差はペグの回転量からするとほんとにわずかなものです。でも綺麗な調律はここが勝負です。

浪速のバルトーク

2022年06月16日 11時20分36秒 | 日々のこと
昨日の天気予報では今日は暑くなるとのことでしたが、今朝は室温22度、冷房をキンキンにかけた状態です。快適な環境での朝食、ミュージックは大栗裕のヴァイオリン協奏曲です。

浪速のモーツアルトと言えばキダタローですが、大栗裕は浪速のバルトークと呼ばれているそうです。なんかちょっと違うような感じもしますが、大阪の俗謡など民族的な要素を取り入れている点ではそう呼んでもいいのかも知れません。

大栗裕の作品は今では一般的な演奏会ではほとんど耳にしませんが、吹奏楽ではとてもメジャーな存在です。マンドリンオーケストラのためにもいくつか作品を書いています。

私が中学生の頃、入っていた吹奏楽部でコンクールに出たのですが、その時の高校の部の課題が大栗裕作曲吹奏楽のための小狂詩曲でした。コンクールですので客席で何度も聴くのですっかり耳についてしまいました。そのときはとてもカッコいい曲だという印象が残っています。ちなみに私たちが出場した中学校の部の課題曲は佐藤長助作曲学園序曲でした。今時の中学生ならア〇みたいに簡単というでしょうけど、当時は必至でした。特に中間部のトランペットソロを担当していた私は冷や汗ものでした。

大栗のヴァイオリン協奏曲はこれ1曲しかありませんが、とても洗練された聴き映えのするいい曲です。朝の景気づけにはぴったしの曲です。1963年の作ですがこの頃はまだクラシックの作曲家が説滅危惧種に指定されていなかったいい時代だったと思います。

なぜニ短調調弦が残ったのか(4)

2022年06月15日 17時50分33秒 | 音楽系
もっとも4度について悩まないのなら、この4度もチューナーでちゃちゃっと合わせればいいし、そもそもチューナーを使うのなら、1コースから順番に合わせて行けばいいのです。でもこれだと先人が少しでもいいハーモニーを出そうと苦労してきたことを体験できません。

リュートの調弦はレッスンの時に先生にやってもらうだけだとか、ペグが緩んだ時に仕方がないのでその弦だけチューナーで合わせるとか、調弦は3日に1回程度かなとおっしゃるあなた、調弦はそもそも弾きはじめに行い、その後は何分かに1回は行うという類のものです。

平均律の5度は純正5度よりわずかに低く(幅狭)、同4度は純正よりわずかに高い(幅広)です。そのわずかの分量は平均律の半音の2/100(2セント)です。

私自身は疑似平均律というべき、限りなく平均律に近いテンペラメントを使っています。どうするかというと平均律と純正の2セント差を2より気持ち小さくするのです。耳を澄ましてよく音をよく聴き、さらにうなりをカウントします。具体的にはどうしたらよいのでしょうか。

ニッサン・サクラ好調!だが。

2022年06月14日 11時46分44秒 | 日々のこと
軽自動車規格のBEV、ニッサン・サクラと三菱ekクロスEVが受注好調だそうです。販売は6月16日からですが納車状況はどうなんでしょう。1年後とか。(笑)

好調の理由は何と言って販売価格でしょうね。国からの補助金55万円を貰うと200万を切るそうですから、昔の軽BEV三菱iMievなんかに比べるとはるかに安いです。さらに東京都で購入した場合は45万~60万の補助が出るといいますから恐れ入ります。

さらに登録時の軽自動車重量税9000円が0円、第一回目の継続車検時の軽自動車重量税6600円が0円、軽自動車税10800円が2700円(登録の翌年のみ)、環境税割非課税とまるで携帯電話のナントカプランみたいな値引きです。239800円の車が最大124800円になり諸経費が23700円安くなるわけです。車両価格最大48%引き!スーパーの大根でもめったにない値付けです。ちょっと常軌を逸しています。いくらなんでもこれちょっと制度設計がおかしいです。

ここまでやれば受注好調なのは当たり前でしょう。少しお金に余裕があり(けどクルマに500万は出せない)、あまり遠出をせず持ち家で自宅充電可能な層、高齢層なら飛びつくに違いありません。

制度設計のおかしさついでにもうひとつ挙げますと、軽自動車規格に関する問題があります。軽自動車枠とは660cc未満の内燃機関パワーソースを前提に高さ、幅、全長を一定の寸法以下にすることで自動車税、高速道路通行税を減税する仕組みです。そもそも電動モーターは前提とされていません。

ニッサン・サクラと三菱ekクロスEVは馬力こそ軽自動車の自主規制枠の64馬力ですが、トルクがなんと190ニュートン!うちのミニF56は1500ccターボで220ニュートンですからそれに近い値です。軽のターボエンジンの倍近くあります。これだけトルクのあるパワーソースであれば少なくとも町中走行では普通車以上に快適でしょう。F56は1210kg、サクラとekクロスEVは1080kgですからF56と同程度の中低速加速力があるでしょう。

いや高速道路でも今時の軽自動車ですから快適そのものでしょう。しかも通行料は安い!軽自動車税の減税って、そもそも少し狭い車体でやや非力なエンジンで我慢するなら税金をまけたる、ということではなかったでしょうか。軽自動車税10800円(しかも登録時は2700円)では安すぎます。

走りは普通車並みで快適、価格はスズキアルトより安く*1、税も安い、高速代も安いとなれば売れない方がおかしいです。
(*1 東京都で最大補助金の場合で、アルトHybrid Xとの比較)

どうも制度設計がおかしく不公平感満載ですが、ここまでして環境政策としてBEVを普及しなくてはいけないのかは疑問です。最近ユーグレナがバイオディーゼル燃料をウチの近くのスタンドで通常販売するそうです。この燃料は廃油とユーグレナお得意のミドリムシ油から作ったサステオという燃料を軽油に20%混ぜたものだそうで、価格はリッター300円とのことですが、これでも軽油の倍以上します。まだまだお高いバイオディーゼル燃料ですが、供給量の問題もあるでしょうけど、減税と補助金を入れて現在のレギュラーガソリン並みにするという政策なんかいいと思うのですが。ディーゼル車はEV車よりはるかに台数は多いので、CO2削減には相当効果があると思います。どうもBEV普及だけがCO2削減だ、ということにすり替わっているみたいで、なんか特定の勢力だけが力を持っている感じがします。お役人さん、政治家の皆さん、税金はちゃんと公平に使ってください。


なぜニ短調調弦が残ったのか(3)

2022年06月13日 13時59分43秒 | 音楽系
バロックリュートのテンペラメントは、2コースと3コースの4度(完全4度)をどう合わせるかによって決まります。

どう合わせるかって?4度は4度じゃない?とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、同じ4度(ここではレとラの音程)でも平均律、純正、キルンヴェルガーなどの鍵盤楽器で使われるテンペラメントそれぞれ皆音程幅が異なります。

ちなみにリュートはフレット楽器なので、鍵盤楽器用の古楽用テンペラメント(チューナーにそういったモードがあります)で合わせても絶対に合いません。一本のまっすぐなフレットを矛盾なく配置するのは不可能です。そうするためにはギザギザフレットが必要です。確かヤング(昔の鍵盤楽器用のテンペラメントのひとつ)を使っていたと思うのですが、ギザギザフレットのギターを弾いたことがあります。確かにギターでよく使う調に限れば綺麗なハーモニーが出ていました。

さてバロック・リュートの場合、その4度はどのくらいの幅が適切か、というのを悩むのは1か所だけなんですね。これさえ決めれば、あとはオクターブとユニゾンでスイスイ、というのがバロック・リュートの調弦なのです。もっとも弦の数が多いですから、1本5秒で合わせても、13コースだと2分かかります。3分台でできたら大手柄です。

ルネサンス・リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ギターの場合はその悩むべき4度が4つもあり、それらをきちんとバランスを取って調弦するのはなかなか大変です。それに比べたらバロック・リュートのニ短調調弦のシステムははるかにシンプルだし、その分正確に調弦できます。もっとも弦の多い楽器だけに少しでも早く正確に調弦できるという要求があったのでしょう。

(チコちゃん流に言えば)ドンドン、ニ短調調弦が残ったのは、調弦し易いから。

ということになります。チコちゃんの画面右下には必ず「諸説あります」って出てますが、これも諸説あります。(笑)

ミサイル着弾か!?

2022年06月12日 22時15分07秒 | ローカルネタ
コーヒー豆が切れたので、近所の店に買いに行こう車を出しましたら、東の方になんやら黒い雲が。急な雷雨が近づいているのかと思いましたが、雲にしては何か厚みがありません。国道1号線に出て北東の方を見たら、びっくり。某国のミサイルが着弾したかのような大きな黒い煙が!まさかそんなことではないでしょうけど。(笑)

国道1号線に入ったら道路はずっと渋滞していてなかなか前に進めません。国道1号線を途中で左折がコーヒー豆が売っているお店に行く道なのですが、そこまでたどり着くまでかなり時間がかかりました。やっと分岐点に到達したのですが、噴煙が気になったのでそのまま直進することにしました。(ヒマですねぇ)



カメラが広角なので煙が低く見えますが、実際はもっと高く上がっている感じです。伊勢大橋を渡って長島町に入っても道はノロノロ。煙が出ているのは弥冨あたりの感じでした。



このまま1号線で行くより、東名阪高速道路で長島から弥冨に行けば現場に早く近づくことができるかも知れません。1号線から左折して県道7号線に入り東名阪長島インターをめざしたら、また渋滞です。皆さん考えることは同じか、いえいえわざわざ見に行く暇人はそう多くはないでしょう、なんてひとりごちていましたら、テレビの音声からピピピという音がして緊急速報、「東名阪道長島弥冨間が通行止めになった」とありました。道理で渋滞しているはずです。行先は渋滞、対向車線もなぜか大渋滞。行くも帰るもできなくなりました。

よく考えてみたら対向車線が渋滞しているのは、高速道路から降りてきた車が1号線に迂回しようとしているからでしょう。迂回しようとするそこのあなた、1号線もガチガチに渋滞していますよ。

高速には入ることができないので、木曽川右岸の堤防道路を北上することにしました。堤防に上がり右前方を見ると東名阪道のすぐ近くからもうもうと黒煙が上がっていました。堤防道路で車を止めるわけにはいかないので、北上し三重県境を越えてすぐ近くの船頭平閘門まで来ました。



火災現場から数キロ北からの写真です。これ以上北上しても現場から離れるばかりで意味がないので、戻ることにしました。戻る途中で煙の色が白っぽくなっていったので消火が進んだようでした。1号線に近づくとまた渋滞が始まるだろうと思い、裏道に回りましたがやはり渋滞していました。

やっとのことで行く予定だったお店に到着したのはそれから40分以上あとでした。ネットで調べてみましたら、弥富町の倉庫から火が出たそうですが、映像から見た感じではヤードみたいなところが燃えている感じがしました。あの黒煙はタイヤが燃えた煙のようでしたがよくわかりません。おかげで2時間以上無駄な時間を使ってしまいましたが、まぁたまにはこんなこともいいでしょう。(笑)


なぜニ短調弦が残ったのか(2)

2022年06月11日 12時03分18秒 | 音楽系
バロックリュートを調弦するには、まず1~3コースまたは4~5コースを合わせることです。でも1~3コースの方が弦が少ないのでこちらから合わせた方がいいと思います。それらの3つのうちどれとどれを合わせるかというとまず3コースと2コースを合わせます。

3コースのラの音を覚えていない人の場合は、チューナーなり音叉など基準となる音を出してそれに3コースを合わせます。チューナーを使うときはメーターを使わないで実音を出してそれに合わせます。

3コースと2コースが合ったら、2コースの3フレットを押さえてその音と1コースを合わせます。こうして1~3コースがあったら、4~5コースをオクターブで合わせます。残り7コース以下も全て1~3コースのオクターブで合わせます。

こうしていくと、一か所だけ「あいまいな」4度であとは全て明快なオクターブやユニゾンで合わせることができます。これがニ短調調弦の特質=調弦のし易さなのです。