Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

バリの朝食

2007年09月22日 | バリ
 バリでは、村にいる時以外は、朝食だけは部屋で食べる。もちろん、ちょっと外に出れば屋台で2000ルピア程度(約25円)の朝食はとれるのだが、あえて部屋で一人朝食を楽しむのである。私の朝食には必ず以下の三点が必要になる。
 私の朝食は基本的にパンである。ということで、まず食パンである。これは日本のものと、その形状や味はほとんど変わらないが、スーパーで一番安いパン(1斤、約45円)を買うと、冷蔵庫に入れておかなくてもたいてい暑いバリでもかなりの間、カビが生えないという特徴を持っている。どうしてだろう?
 次にマーガリンである。私はこのブランドを「Blue Band」と決めている。この銘柄は私が留学した80年代にはすでにあり、冷蔵庫が一般的ではない時代を想定した製品であるため、冷蔵庫にいれるとカチカチになって温まるまでまったく利用価値がない。しかも日本のマーガリンと違って妙に黄色で、更に不思議な味である。炒め物、パンのお供など、さまざまな用途に利用できると書いてある。いったい何から作られているのか不思議だが、あまり深く追求しないことにしている。
 最後に、チョコの粒。これは日本ではケーキやドーナツなどに振りかける顆粒状のチョコである。私は1983年に最初にバリに行ったとき、よくデンパサールの宿の朝食に、パンにマーガリンを塗り、この顆粒状のチョコをかけて、パンをサンドするチョコ・マーガリンサンドが出されたが、それ以来、現在にいたるまで私はこの朝食に、はまり続けている。日本には顆粒状のチョコが、ケーキの素材としてしか売られていないため、インドネシアに行くたびにたくさん買って、家にストックしているのである。
 ところで、今から3年前に私は長期、オランダで生活したのだが、そのとき私の朝食が実はオランダ人の朝食であることを始めて知ったのだ。オランダでは、このチョコの顆粒のことをハーゲルスラグ(「チョコのあられ」とでも訳するのがいいか?)といい、ちゃんとスーパーに行くとジャムと隣り合わせに並べられている。もちろん、大きなスーパーに行けば、10種類くらいのハーゲルスラグが売られている。そのおかげで、私はオランダで、おいしいパンとマーガリン、そして口の中で甘くとろけるハーゲルスラグのおかげで、毎日すがすがしい朝をむかえることができたのだった。ちなみにオランダのホテルに泊まると、朝食には一食分をパッケージしたハーゲルスラグが必ず用意されている。
 私のバリの朝食は、ようするにオランダ人の朝食だったものが、植民地支配を経て、インドネシア人に伝わったものだ。なんと私の朝食はヨーロピアンなのであろうか!
 さてこのチョコの顆粒であるが、当然のことながら、オランダのものと、インドネシアのものは天と地ほど味に違いがある。なんといってもオランダの隣はベルギーである。チョコは旨いにきまっているのだ。インドネシアのものはというと・・・、まあ、読者の方々も次に行くときはお試しあれ。ちなみに私はこのインドネシア製のチープなチョコ味もまた好きである。