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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ガムラン・アンクルンで新しい曲に挑戦~チャトゥル・アングリット

2013年06月11日 | 家・わたくしごと

  7月20日に浜松で演奏する曲目の中で、初めて演奏する器楽曲が《チャトゥル・アングリット Catur Angurit》です。1991年にバリの国立芸術大学の教員、イ・ニョマン・ウィンダが創作した曲。「日本初演」といいたいところですが、実は、1993年にバリのグループが日本公演をしたときにこの曲を演奏しています。この曲、実はアメリカでもっとも古くから活動するバリのガムラングループ「スカル・ジャヤ」が委嘱した作品。つまり、世界初演はアメリカ人のガムラン・グループでした。
 この演奏グループは、アメリカでもっとも歴史のあるバリのガムラン・グループで、1986年に初めてバリ公演をしています。翌年、日本のグループ「スカル・ジュプン」がバリで初公演をしたので、とにかくバリ人に「スカル・ジャヤ」と比較されました。その後、2000年には、この二つのグループが、千人近い観衆が集まるバリの野外ステージで競演。観客が勝敗をつけるわけで、僕は圧倒的に日本の勝ちだと思っていますが、それでも二つのグループの音楽作りの方向性の違いに驚きました。「スカル・ジャヤ」は実験的な創作曲が多く、日本は伝統的な作品が多かったのです。
 ところで、この曲は儀礼で用いられるいわゆる伝統的な器楽曲のレパートリーとは異なり、新しい響き満載、かつリズムも複雑。ちょっぴり、ワヤン・アンクルンで使うカヨナンを踊らせるときの旋律が出てくるので、ワヤンを勉強した私はもう演奏しながらドキドキです。作曲者は、アメリカ人に曲を作るからといって、全く妥協しなかったということです。まあ、「スカル・ジャヤ」のレベルは相当高いと思いますが。その後、この曲はバリの人々の間でも演奏されるようになりました。
 さて写真のCDですが、実は日本で発売された《チャトゥル・アングリット》が収録されたCD。1993年に来日したグループの演奏を日本で録音したものです。この解説、私が書いているんですが、今読んでみると《チャトゥル・アングリット》の解説、かなりしょぼい…。このCDのあとに、ジャケットと内容を少し変えて再発売しています。もう絶盤だろうと思ってアマゾンみたら、まだ中古で買えるみたいです。