Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

シール貼りの衝動

2013年06月27日 | 家・わたくしごと

 子どものころ、おもちゃ箱にやたらとシールを貼っていたことを覚えている。そのシールはたぶんお菓子の「おまけ」で、ヒーローやら怪獣やらの漫画のキャラクターのシールを、とにかく絶対に絵柄が重複しないようにして、所狭しと貼ったのだった。不思議と一枚、二枚と張り出すと、残されたスペースを埋めなければ何か物足りなかった。
 あれから何十年たったにもかかわらず、私はこのバイクに同じことを繰り返した。ほんの出来心で一枚貼ってしまったことで、こんな写真の状況に至ってしまったのだ。漫画のキャラクターではなくて、バリやらインドネシアとどこか関係を見いだすことのできたシールに変わったにすぎないのだ。なぜこんなことをしているんだろうと思ったところで、もう一枚貼ってしまったら、それを剥がさない限り、シール貼りの衝動を抑えることは不可能なのだ。その結果、私のバイクは、結果的に独特な個性にあふれたバイクへと変貌を遂げた。
 ところで、続けてこのブログを読んでくださっている読者はご存じのように、もうこのバイクは私の手元にはない。今はシールなど一枚も貼られていない真っ新な新しいバイクなのだ。いや……、ちょっと待てよ。私はすでに一枚、シールを貼ってしまっているではないか。それは「不覚にも」ではなく、マンションのルールで、そのシールを車体に貼らないと駐輪場の不法駐車とみなされてしまういわゆる「駐輪許可証」のシールなのである。私はこのシールをなるべく見ないことにしている。というよりも、それがシールではなく車体の一部だと認識しない限り、私はまた残りのスペースを埋める作業に没頭し始めてしまうからだ。再び沸き起こる新たな衝動をコントロールできなくなってしまうからだ。